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中央ニュース

2011/08/08

移動車両による測量が拡大へ、地理院が標準作業手法を検討、日測協が成果検定を本格開始

 自動車にGNSS(全地球航法衛星システム)受信機などを搭載して地図データを作成する、移動計測車両による測量システムの活用が拡大しようとしている。国土地理院が、東日本大震災の復興に向けた基盤地図情報の整備を迅速化するため、同システムを使って公共測量を行う場合の標準的作業方法の検討に着手する。また、日本測量協会(村井俊治会長)は同システムを暫定的に「車載レーザ測量」と名付け、測量成果品の検定業務の受託を8月から本格的に開始した。
 自動車を使った測量システムは、GNSS受信機やIMU(慣性姿勢計測装置)、レーザスキャナー、デジタルカメラ、オドメーター(走行距離計)などで構成するシステムを搭載し、走行しながら測量対象物の三次元位置情報を取得するもの。従来の航空写真測量などと比べ作業を効率化する。月単位の計測など、短い期間でのデータの更新も容易になる。地形測量や地図作成、道路台帳更新などに使用できるほか、トンネルや緑地帯、マンホールなど道路施設や道路付帯施設の管理にも活用できる。
 東日本大震災の復興では、まず基盤地図情報を迅速に整備し、その後の復興事業の進ちょくに合わせたデータ更新によって事業の推進に寄与すると期待されている。
 実際のシステムは現在、メーカーによって機器の構成内容や作業方法が異なっている。
 国土地理院では2011年度、同システムの標準的な作業要領や測量マニュアルを作成する。現在、これに必要な検討業務を委託するプロポーザルの手続きを進めている。
 日本測量協会では、同システムによる測量成果の検定をこれまでに2件行った実績がある。今後のシステムの利用拡大をにらみ、今回、検定要領などを整備した。データ取得時の位置精度の適否判定する必要などがあることから、通常の数値地図データ作成業務で実施している検定項目に、測量記録や精度管理表の点検などを加えている。

提供:建通新聞社