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2011/08/08

福島第一原発の作業員、長期的に健康管理 データベース来年1月から運用開始へ 厚労省

 厚生労働省は「東電福島第一原発作業員の長期健康管理に関するグランドデザイン」をまとめた。離職後も被ばく線量を追跡できるデータベースを構築し、これを基に緊急作業に従事したすべての作業員の長期的な健康管理を行っていく。9月中に長期健康管理に関する最終報告書をまとめてデータベースの管理主体を決定。速やかにデータベースの構築に着手し、できれば2012年1月から運用を始めたい考えだ。
 東京電力のまとめによると、第一原発での作業者数は、東日本大震災が発生した3月11日から7月20日現在までに実数で約1万6000人に達している。ただ、これまで第一原発で緊急作業に従事してきた建設労働者などを、業種別・作業別などの属性別では把握できていないという。
 そこで、新たに構築するデータベースでは、緊急作業に従事した労働者に識別(ID)番号を付与し、個人識別情報(氏名、所属事業場、住所)を把握。その上で▽緊急作業従事前・従事中および従事後の被ばく線量と従事作業中の作業内容▽健康診断などの情報▽健康相談・保健指導などの情報▽そのほか健康管理に必要な生活習慣などに関する情報―を集積。将来、疫学研究などにも生かせるようにする。これらの情報は労働者が離職前のものについては事業者から提供を求め、離職後の健康診断の結果などについては、労働者が任意で提出できるようにする。
 緊急作業に従事した労働者は、在職中は所属事業場が健康管理を行うことを原則とし、離職者の健康管理は新たに設置する健康相談窓口で対応する。
 緊急作業に従事した労働者のうち、緊急作業終了時点で原子力発電所における通常の放射線業務による被ばく線量を超える労働者については、定期的に健康診断を実施する。
 また、今回の緊急作業に従事した労働者のうち、従来の放射線業務では想定していない線量の被ばくをした労働者については、今後長期の潜伏期間を経て、がんなどの重大な疾病が発症する懸念があることから、必要な検査は健康診断として実施する。

提供:建通新聞社