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2011/08/22

低価格入札の排除率 都道府県では42・7% 数値的な失格判断基準の有無で大きな差 国交省調べ

 2010年度に都道府県が発注した工事のうち、低入札価格調査基準価格を下回った入札を失格とした割合(排除率)は42・7%だったことが、国土交通省の調べで分かった。工事の半数以上は低価格での落札がそのまま認められたことになる。数値的な失格判断基準を設定しているかどうかで排除率に大きな差が出ていることも浮き彫りとなった。こうした実態を踏まえ国交省は、近く都道府県に発出する入札契約適正化法に基づく要請に、数値的な失格判断基準の積極的な導入・活用を盛り込む方針だ。
 低価格応札の発生状況を見ると、国交省地方整備局発注工事での発生率は08年度が4・7%、09年度が3・3%と低水準で推移しているのに対し、都道府県発注工事では08年度が17・4%、09年度が25・4%とダンピング受注の動きが深刻化している。国交省はこうした動向の背景を探るため、7月に開いた監理課長等会議で低入札価格調査制度の運用状況を都道府県の担当者に尋ねた。
 それによると、低入札価格調査で数値的な失格判断基準を設けている都道府県は36団体、設けていない都道府県は11団体あった。10年度に低入札調査基準価格を下回る応札があった工事の件数はすべての都道府県分を合わせて5211件あり、このうち42・7%に当たる2226件で失格者が出た。失格の理由は「数値的失格基準に該当」が1630件、「その他の事由に該当」が629件だった(重複があるため、合計件数は一致しない)。
 低入札価格調査での排除率を都道府県別に見ると、奈良県、香川県、高知県、沖縄県では排除率が100%だったのに対し、新潟県、長野県、熊本県、宮崎県、鹿児島県では排除率が0%などとなった。低入札価格調査制度の適用対象を大型工事などに限定し、主に最低制限価格制度を活用しているところも多いため、一概には比較できないが地域による差が際立った格好だ。
 数値的失格基準の設定状況と排除率の関係を分析すると、数値的失格基準を設定している都道府県の排除率が44・2%だったのに対し、設定していない都道府県(調査基準価格を下回る入札がなかった3団体分は除く)の排除率は15・9%だった。

提供:建通新聞社