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2012/02/16

砕石出荷基準で初会合 基準は福島県限定に

 経済産業省は15日、福島県二本松市のマンションから高い放射線量が測定された問題をめぐり、砕石・砂利の出荷基準をつくるための専門検討会の初会合を開いた。経産省は、福島県内に限定して出荷基準を適用することを想定し、定量的な基準の単位として、放射能濃度(重量単位のベクレル値)と表面線量率(1時間単位のシーベルト値)などを採用する案を示した。専門検討会での議論を経て3月中旬までに出荷基準をまとめる。
 初会合で経産省が提示した「出荷基準のイメージ」では、砕石・砂利の流通範囲は限定的だとして、基準の効果を福島県内に限定する考えを示し、大筋で了承された。基準の範囲は、コンクリートなどの材料である骨材に限定するか、路盤材や敷砂利なども含めた砕石・砂利全般とする2案を併記。砕石業界は「出荷の段階では用途が分からないため、砕石・砂利全般を検査する方が望ましい」と訴えた。
 出荷時の定量的な基準について経産省は▽放射能濃度=1`当たり100〜1000ベクレル程度▽表面線量率=1時間当たり0・23マイクロシーベルト▽二つの基準の組み合わせ―の3案を提示。
 これに対し、福島県土木部の大堀誠技術管理課長は「基準を厳しくしすぎると、建設副産物の循環が止まり、復旧・復興工事に支障がでる恐れがある」として、表面線量率を採用して福島県の除染の目標レベルである「1時間当たり0・23マイクロシーベルト」に基準を置くよう求めた。砕石業界からも検査方法がより簡易な表面線量率を支持する声が挙がった。
 一方、経産省では「一定レベル以上の厳しい基準を設けなければ、風評被害を防ぐことができない」(製造産業局住宅産業窯業建材課)として、砕石・砂利の用途に応じて二つの基準を組み合わせる案が望ましいとした。
 専門検討会では、2月下旬に委員からヒアリングを行った上で、3月上旬までに基準案をまとめ、意見募集を経て同月中旬に基準を正式決定する。
 今回問題となっている福島県浪江町の採石場から出荷された砕石は、県内の約1100カ所で利用されたと見られている。経産省では、このうち約150件の現場で放射線量を測定し、27件で周辺よりも高い放射線量を確認している。

提供:建通新聞社