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2012/03/15

保険未加入は最大120点の減点 国交省が経審改定案

 国土交通省は、経営事項審査(経審)の審査基準改定案を固め、14日の中央建設業審議会に示した。技能労働者の適正な雇用環境と企業の健全な競争環境を確保するため、社会保険未加入企業に対する減点幅を現行の最大60点から120点へと2倍に拡大する。また、建設業の海外展開を後押しする観点から、海外子会社の売上高や利益額、自己資本額を評価に反映できる仕組みを新たに設ける。国交省では2013年度の競争参加資格審査に新たな審査基準を適用できるよう、建設業法の省令改正などの準備を進めていく方針だ。
 今回の改定は、国交省の建設産業戦略会議が打ち出した「建設産業の再生と発展のための方策2011」の施策のうち、「社会保険未加入企業の排除」と「海外展開支援の強化」の具体化に向けた取り組みの一環として実施する。
 現行の経審で社会保険未加入の取り扱いは、社会性等(W点)の労働福祉の状況として@雇用保険A健康保険及び厚生年金保険―の2項目について、未加入の場合にそれぞれ30点・最大60点を減点している。改定に当たっては、項目区分を@雇用保険A健康保険B厚生年金保険―の3区分に細分化し、それぞれ40点・最大120点を減点する。これによって、W点が最低点(0点)の社会保険未加入企業の割合は現行の38%から74%に増える。総合評点への影響を見ると、現行が最大86点の減点に対し、改定後は最大171点の減点となる計算だ。
 また、海外展開を支援するため、海外子会社の完成工事高(X1)と、利益額・自己資本額(X2)を親会社の評価に組み入れることができる仕組みを設ける。運用に当たっては、親会社の申請に基づき海外子会社の経営実績を国交相が認定する。完成工事高は、海外工事の工事経歴書・工事契約書によって確認する。利益額・自己資本額は親会社と海外子会社の合算処理が適正に行われたことを公認会計士・税理士に証明してもらう必要がある。完成工事高と利益額・自己資本額のいずれかだけを申請することは認めない。

提供:建通新聞社