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2012/05/09

港湾の津波・地震対策で提言 国交省・防災部会

 国土交通省の交通政策審議会港湾分科会防災部会は8日、港湾分野での地震・津波対策の在り方に関する答申案をまとめた。この中では、最大クラスの津波に対し、ハードによる減災効果を見込みつつ、土地利用や避難施設などを組み合わせた総合的な対策を確立する必要性を指摘。官民連携で策定する港湾BCP(事業継続計画)に基づき、施設や機能の重要度に応じて耐震性・耐津波性を向上させていくことなども求めた。一般からの意見募集を経て、6月上旬にも国交相に答申する。
 東日本大震災では、想定を上回る大津波が太平洋沿岸を襲い、港湾施設に大きな被害をもたらした。荷さばき地などが液状化により沈下し段差が生じる事態も起こり、物流機能に大打撃を与えた。東海・東南海・南海地震や首都直下地震の切迫性が指摘される中、提言は東日本大震災の被害を教訓として津波対策や地震対策、液状化対策を総合的に進めていくことが必要との認識に基づき、基本的な考え方や今後の施策方針などを明確化している。
 津波対策をめぐっては、二つのレベルの津波を想定。数十年から数百年に1回程度の頻度で発生する「発生頻度の高い津波」では、人命・経済活動を守るため、後背地への浸水を防止すべきとした。発生頻度は極めて低いが影響が甚大な「最大クラスの津波」では人命を守る「減災」を目指し、浸水を許容しつつ土地利用や避難対策を一体化した対策を講じることとした。
 港湾産業・物流機能を防護する観点からは、港湾労働者や利用者を対象とした避難施設を適切な形式・規模で設けることや、防波堤に津波からの減災効果を期待することが必要とした。
 また、港湾の災害対応力を強化するため、耐震強化岸壁を核とする防災拠点を形成すべきとし、その適切な設置・活用に向けて港湾BCPを策定することとした。さらに、耐震強化岸壁の機能を十分に発揮させるため、地震・津波による被災リスクや費用対効果を勘案しつつ、背後の埠頭用地・臨港道路の耐震化・液状化対策などを講じるよう求めた。
 東海・東南海・南海地震や首都直下地震では、被害が広範囲に及ぶ可能性が高く、その中には国際物流ターミナルやエネルギー輸入基地などの重要度が高い施設が数多く存在する。提言は、仮にこれらの施設が被災して長期間使用できなくなると、日本の経済活動に大きな影響を与えるとし、施設や機能の重要度に応じた耐震性・耐津波性の向上を検討すべきとの考え方を盛り込んだ。

提供:建通新聞社