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中央ニュース

2012/07/09

屋内運動場の天井を総点検 学校の非構造部材耐震化

 文部科学省は6日、学校施設の非構造部材の耐震対策を検討する有識者会議に中間報告骨子を提示し、天井落下防止対策として、全国の屋内運動場の天井を総点検する方針を盛り込んだ。点検結果を踏まえ、建設年代や構造形態などから優先度を判断、天井材の撤去や天井材の軽量化などの対策を講じるとしている。天井と構造体の一体的な点検・対策を実施できるよう、対策工事の設計・施工に構造設計者が関与することも求めている。
 天井落下防止対策については、有識者会議の中にワーキングループを設置し、具体的な対策の中身を検討中。WGでは6月28日の会合で論点整理を行い▽簡易診断の必要性▽天井内部の緊急点検・診断▽天井材の撤去を含めた抜本的な対策▽国としての必要な支援策―などについて、今後詳細を検討することにした。
 このWGの論点整理も踏まえ、6日の有識者会議では中間報告骨子について議論。骨子では、天井落下防止対策を早急に実施する前提として、全国の屋内運動場を対象とした天井の総点検の実施を文科省に提言する方針を示した。点検後に▽建設年代▽構造形態▽架構種別▽室面積▽天井単位重量▽本体構造の剛性―を評価し、危険度や対策の優先度を総合的に判断する。
 対策内容としては、天井材の撤去をはじめ、天井材を重量の軽い素材に改修して落下被害を防止する「軽量化」、クリアランスや振り止めなどによる耐震対策、ワイヤーロープや落下防止ネットなどを設置した人的被害防止などを提案している。
 また、天井落下防止対策と合わせ、構造体側の被害分析を踏まえた対応方策の実施も今後検討する。天井と構造体の一体的な点検・対策を講じるため、今後の設計・施工に構造設計者が関与する必要性も示した。
 有識者会議は8月中に中間報告、13年3月に最終報告をまとめる予定。

提供:建通新聞社