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中央ニュース

2012/08/09

既存建築物の増改築促進へ規制緩和

 国土交通省は、既存建築物の大規模な増改築を促進するため、既存不適格建築物に関する建築基準法の規制を緩和する方針を固めた。既存部分の2分の1を超える増改築で一定の要件を満たした場合には、既存部分を現行の構造耐力規定に合致させることを不要とする。また、防災用備蓄倉庫や蓄電池などの設置が増加していることを受けて、これらを設置する場合の容積率規制も緩和する。関連省令・告示案に対する一般からの意見を9月6日まで募集した上で、早ければ9月中の施行を目指す。
 建築基準法では、既存不適格建築物を増改築する際、原則として既存部分も最新の基準に合わせた性能の確保が求められる。しかし、こうした規制が既存ストック活用の阻害要因となっているとの指摘を受け国交省は2009年、増築部分の床面積が既存部分の2分の1以下で増築部分と既存部分が構造上分離している場合、既存部分が新耐震基準に適合していれば、原則として既存部分の改修を不要とする特例措置を設けた。
 今回は、一定の要件を満たせば既存部分の2分の1を超える大規模な増改築の場合でも特例を認めることとした。具体的には、増改築部分と既存部分の接合にエキスパンション・ジョイント(EXP.JT)を用いる場合と、それ以外の場合の二通りのケースについて、それぞれ特例対象となるための要件を明確化。EXP.JTを用いる場合には、要件をより緩やかなものとする。
 また、東日本大震災によって防災意識が高まり、防災用備蓄倉庫や蓄電池などの設置が増加していることを踏まえ、容積率算定の基礎となる延べ面積の算定方法を見直す。具体的には、防災用備蓄倉庫、蓄電池、自家発電設備、貯水槽を設ける場合、一定の上限の下で容積率制限の対象となる延べ面積に算入しないこととする。

提供:建通新聞社