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中央ニュース

2012/08/29

学校老朽化対策で中間報告 予防保全への転換を提言

 文部科学省の「学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議」は、学校施設の再生整備の方向性を示した「学校施設老朽化対策ビジョン(仮称)」の中間報告をまとめた。築25年以上が全体の7割に及ぶなど、学校施設の老朽化が急速に進む中、老朽化対策を「学校施設における最大の国家プロジェクト」と位置付け、予防保全型への転換や公共施設との複合化・減築などを重点的に進めるよう提言している。
 中間報告では、非木造の学校施設総延床面積約1億5000平方bの約7割が築25年を超え、改修が必要な面積が総延床面積約1億平方bに及んでいると問題視。文科省が行ったアンケートでも「老朽化した学校施設の再生」を今後の重要課題に挙げる地方自治体が多数を占めた。
 ただ一方で、国・地方自治体のいずれも厳しい財政状況にあり、中間報告では学校施設の老朽化対策を事後保全型から予防保全型に転換することを提唱。現在、平均40年程度で改築している学校施設の長寿命化改修を実施し、改築時期を70〜80年程度に延ばすよう提言した。こうした取り組みにより、今後30年で必要な改築・改修経費を約38兆円から30兆円に圧縮できると試算している。
 また、児童・生徒の減少に合わせて、余裕教室などの空きスペースの有効活用、他の公共施設との複合化や減築を行う必要性も訴えている。
 こうした施策を進めるに当たって、国が技術的知見の少ない地方自治体への支援を充実させることも提言。長寿命化改修や工期短縮の具体的手法、改築・改修時期の目安を提示したり、長寿命化を促す国庫補助メニューの改善などを具体例として挙げた。
 調査会では2013年3月に最終報告をまとめる予定。

提供:建通新聞社