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2012/09/05

非構造部材の耐震実施率32% 全国の小中学校

 文部科学省は、公立学校施設の非構造部材の耐震点検と耐震対策の状況調査の結果(4月1日時点)をまとめた。小中学校3万0395校における耐震対策の実施率は32%で、前年度から2・3ポイント改善。耐震点検の実施率は66%(0・7ポイント増)だった。同省は、4月1日時点で84・5%まで改善した構造体の耐震化率と比べ、対策が遅れている非構造部材について、致命的な事故が起こりやすい屋内運動場の総点検をはじめとする緊急対策などを実施し、耐震化の早期完了を促す考えでいる。
 調査は、全国の公立学校(幼稚園、小中学校、高校、特別支援学校)の学校設置者に対し▽天井材▽照明器具▽窓ガラス▽外装材▽内装材▽設備機器▽家具―の7項目について、耐震点検と対策の実施の有無を聞いた。東日本大震災や原発事故の被害を受けた宮城県と福島県の一部の地域は除いている。
 耐震点検の実施率は七つの点検項目のうち、1項目でも未点検の場合に点検未実施と判定。小中学校では、全3万0395校のうち、学校教職員が全7項目を点検した学校の割合は66%に当たる2万0069校だった。点検未実施の学校数は1万0326校に上る。
 また、天井落下などで致命的な事故につながる屋内運動場は、部材ごとの調査を今回初めて実施。部材別の点検実施率は▽天井材33・3%▽照明器具34%▽外壁(外壁材)35%▽バスケットゴール34%―といずれも低い水準にとどまった。
 点検を行った2万0069校のうち、点検結果に基づき耐震対策を実施した学校は9730校で、実施率は48・5%(3・1ポイント増)。点検未実施も含めた小中学校の耐震対策の実施率は32%となっている。小中学校以外の耐震対策の実施率は、幼稚園が27・3%、高校が39・4%、特別支援学校が43・2%。
 都道府県別に小中学校の耐震点検と耐震対策の実施率を見ると、耐震点検の実施率が低いのは▽宮城県45・3%▽石川県49・2%▽三重県49・5%▽滋賀県44・2%▽大阪府44・3%▽徳島県46・4%▽高知県42・8%▽沖縄県42%―など。静岡県は47都道府県で唯一耐震点検の実施率が100%だった。
 耐震対策について、実施率が10%台の都道府県は▽東京都18%▽富山県13・4%▽岐阜県18・4%▽滋賀県16・8%▽大阪府13・7%▽兵庫県12・3%▽岡山県11・8%▽徳島県13・8%▽香川県13・7%▽福岡県17・6%▽沖縄県15・4%―となった。山口県は7・9%で最も耐震対策の実施率が低かった。


提供:建通新聞社