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2012/09/14

自治体に建築士派遣 文科省が非構造部材の耐震化で 

 文部科学省は、学校施設の非構造部材の耐震化促進に向け、地方自治体向けの専門技術者派遣事業を立ち上げる。技術者不足に悩む自治体に同省が一級建築士を派遣し、耐震点検の実施や耐震対策の速やかな実施を技術面でサポートする。全国5会場で開く講習会への参加を条件に、派遣する一級建築士200人程度を登録する。
 全国の小中学校3万0395校における非構造部材の耐震対策の実施率は32%で、構造体の84・8%に比べ大きく遅れている。文科省のアンケート調査では、非構造部材の耐震点検が完了していない地方自治体の25・9%が、対策が進まない理由として「職員の業務量的に困難」と回答。技術職員を配置していない教育委員会は49%に上り、対策を進める上で自治体の人員・能力不足が大きな課題になっている。
 こうした実態を踏まえ、文科省は13年度から技術者不足の問題を抱える自治体に一級建築士を派遣する事業を開始する。13年度予算の概算要求には事業費5億1600万円を盛り込んだ。
 文科省は、建築学会などに協力を求めて非構造部材に関する講習会を全国5会場で開催し、一級建築士の参加を募る。講習会を受講した建築士を都道府県を通じて希望する市町村に派遣し、屋内運動場の天井落下防止対策をはじめ、非構造部材の危険度や対策の優先度の判断、応急措置に関する技術支援を行う。
 文科省は12年度予算で防災機能強化のための補助制度を拡充し、それまで構造体の耐震化と同時に実施することを求めていた非構造部材の耐震化を単独で実施することも認めることにした。補助率は3分の1で、補助の上限は2億円としてる。

提供:建通新聞社