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2012/09/26

専門工事業評価制度 本格実施は「3〜4年先」

 国土交通省は24日、専門工事業等評価制度や技能労働者の技能の「見える化」などを議論する「担い手確保・育成検討会」(座長・大森文彦東洋大学教授)の初会合を開いた。会合では、専門工事業等評価制度をはじめとした取り組みについて「今やらなければ変えられない。素早く決めてほしい」(才賀清二郎建設産業専門団体連合会会長)との声が上がる一方、「あまり拙速に進めれば副作用も起こりうる」(押田彰全国建設業協会専務理事)との慎重意見も出た。国交省の青木由行建設業課長は「実施するとなれば、3〜4年先には最終的なものにする」との見通しを示した。
 検討会は、建設産業戦略会議がまとめた「建設産業の再生と発展のための方策2011」と「方策2012」で示された▽専門工事業者等評価制度▽技能労働者の技能の「見える化」▽戦略的広報▽登録基幹技能者のさらなる普及▽技能労働者に対する教育訓練―について議論する。実務者によるワーキンググループを設置して具体化を図り、12年度末までに方向性などを固めるとしている。
 このうち、専門工事業等評価制度は、人材育成に力を入れ、施工力のある専門工事業者を評価するという理念で、法令順守状況(社会保険加入など)や技能労働者の施工実績などを評価する仕組みを想定。
 検討会の初会合では、評価制度の目的を問われた国交省の榎本健太郎建設市場整備課長が「専門工事業者が置かれている『しわ寄せ』などの厳しい状況を改善したい」と説明。また、大森座長は「施工力というのは元請けと下請けで一体のもの。施工力の評価が元請けのみの評価で本当に良いのか」と問題提起した。
 他方、日本建設躯体工事業団体連合会の石沢正弘副会長は「評価の在り方でわれわれの企業経営の方針も変わる。きめ細かい評価の手法が重要になる」などと発言した。青木建設業課長は評価制度など一連の取り組みについて、3〜4年先に制度を固める方向性を示しつつ、本格実施までの間に「一部試行という形で開始することもあるだろう」との見解を語った。
 初会合ではこのほか、全国中小建設業協会の小野徹副会長が、登録基幹技能者について「大手に基幹技能者の配置を求められるが、配置に見合った単価はもらえない」と問題点を指摘。埼玉県県土整備部の浅井義明建設管理課長は「業界からは基幹技能者をはじめ、資格が多過ぎて困るという声も聞こえる」と述べた上で、「資格を統合し、単純化した方が業界全体のメリットになるのではないか」などと提案した。

提供:建通新聞社