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2012/09/27

住居近隣20b範囲で除染 環境省が当面の整理

 環境省は、放射性物質に汚染された森林除染の在り方に関する当面の整理をまとめた。森林外への放射性物質の流出・拡散を防止するため、福島県内の「除染特別地域」で、住居近隣の除染を最優先に行うことにし、2013年度末までに林縁から20bを目安に除染を完了させるとした。それ以外の広域にわたる森林は、対策を実施する合理性などを調査してその上で判断するとした。
 航空機によるモニタリングで明らかになった福島県内の森林の空間線量は、福島第一原子力発電所の後背山地である阿武隈高地で1時間当たり3・8マイクロシーベルトを超えており、中通り地区でも1時間当たり0・99マイクロシーベルトと基準を超えている。
 森林からの放射性物質の流出・拡散を懸念する声を受け、環境省は有識者を集めた「環境回復検討会」で、7月から森林除染の在り方を検討。当面の整理では、最優先で対策を講じるとした住居近隣の森林について、林縁から20bを目安に落葉落枝の除去を段階的に進めるとした。
 落葉樹林については、落葉落枝の除去で効果がない場合に、立木の伐採を行う必要性についても言及した。
 住居近隣以外の森林については、対象面積が広大であるとともに、森林外に流出・拡散する割合が0・3%程度と限定的として「さらに調査を実施して、その上で判断することが適当」との記述にとどめた。
 また、森林除染に伴う廃棄物については、集材性や採算性が見込める場合に、焼却により発生する熱を利用したバイオマス発電を実施することも求めている。

提供:建通新聞社