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2012/10/29

「ストックの総合的な法体系を」 国交省・建築基準制度部会で意見交換

 25日に開かれた国土交通省・建築基準制度部会では、各界から参加した委員が建築法制の在り方について意見を交わした。この中で、首都大学東京教授の深尾精一委員は建築法制の方向性について、「耐震化を進めていくために建築基準法や耐震改修促進法だけでなく、ストック全体を総合的にとらえた仕組みが必要」と指摘。久保座長も「既存建物を対象とした法体系を勉強していくべきだ」と同調した。
 住宅生産団体連合会建築規制合理化委員会委員長の秋山一美委員は、「住宅の耐震化が少しでも前に進むよう、現行の耐震基準を全て満たすよう求めるのではなく、一部を緩和する方策も考えるべき」と提案。東洋大学教授で弁護士の大森文彦委員は「違法建築を適法化するためのルートが存在せず、結果としてこうした建物が放置されたままになっている」と述べ、こうしたケースでの手続きを整備するよう求めた。
 東洋大学教授で建築家の工藤和美委員は、学校校舎で木造3階建てを可能とする方向性をめぐり、「設計者の立場から、公共施設の大半を占める学校施設で木造化の自由度が高まることは歓迎する」との立場を表明。弁護士の齊藤拓生委員は構造計算適合性判定の在り方について、「効率性・実効性の確保は賛成だが、安全性をないがしろにしてはならない」と指摘。さらに「東日本大震災では、現行の建築確認検査を受けた建物でも問題が生じている。こうした問題をなくすような論点を加えてほしい」と注文を付けた。

提供:建通新聞社