トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2012/11/19

下請けへのしわ寄せが大幅増 国交省調べ

 元請けから不当なしわ寄せを受けた経験がある下請けの割合(しわ寄せ率)は14・6%と、前回調査に比べ5・2ポイント高まったことが、国土交通省の調べで分かった。資本金階層別で見ると、規模の小さい業者ほどしわ寄せを受けた経験が多かった。受発注者間のしわ寄せ率も0・7ポイント増の8%と上昇した。元下間のしわ寄せ率が急上昇した要因について国交省は「今回から調査方法を変えたことが、これまで潜んでいた実態を浮かび上がらせるきっかけとなったのではないか」とみている。
 「2012年度下請取引等実態調査」は、全国から無作為抽出した建設業者1万8011社を対象として7月から9月にかけて実施。87・5%に当たる1万5767社から回答が得られ、うち既に事業活動を終了した業者を除く1万5462社分を集計した。
 元下間のしわ寄せ率を資本金階層別に見ると、「3000万円未満」が16・4%で最も高く、「5000万円以上1億円未満」が12・8%、「3000万円以上5000万円未満」が11・8%などの順。不当なしわ寄せの具体的な内容は「下請け契約の締結が工事着手後となった」が33・1%で最も多く、下請け契約の締結が書面で行われない」が25・1%、「元請けから指値発注された」が25%、「追加・変更契約の締結を拒否された」が14・3%などで続いた。
 また、受発注者間の発注者からのしわ寄せについては、発注者が民間企業のケースが51・6%と過半数を占め、公共機関(準じる機関を含む)は20・3%だった。前年度との比較では、公共機関の割合が減少したのに対し、民間企業が増加した。しわ寄せの内容は「発注者側の設計図面不備・不明確、設計積算ミス」が最多の18・9%で、「追加・変更契約の締結を拒否」が18・1%、「請負代金の不払い」15・2%、発注者による理不尽な要求・地位の不当利用」14・4%などとなった。

提供:建通新聞社