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2012/11/22

警報装置義務付けへ 解体用車両系建機

 厚生労働省は21日、「解体用車両系建設機械の新たな安全対策に係る検討会」の2回目の会合を開き、解体用建機の構造規格の見直し案を提示した。厚労省は、解体用建機の転倒・転落事故を防ぐため、転倒防止警報装置、過負荷警報装置、本体角度計の装備を義務付ける見直し案を提示。破砕した解体物による労働災害を防止するため、飛来防護設備や安全ガラスを備えることを規格化する方針も示した。
 構造規格の見直しは、労働安全衛生法の規制がない「鉄骨切断機」「コンクリート圧砕機」「つかみ機」による労働災害が増加していることを受け、同検討会が就業制限や使用方法などとともに検討している。
 厚労省は、解体用建機を斜面で使用する際に転落したり、解体物を持ち上げて旋回する際にバランスを崩す可能性があるなどと危険性を指摘。見直し案の中で、接地面の傾斜を測定する本体角度計、車体が安定度の限界となる角度を超えないよう作動する過負荷警報装置、負荷圧力を検出して警報で運転者に注意を促す転倒防止警報装置の装備を建機メーカーに義務付ける方針を示した。
 ただ、建機メーカーは、過負荷警報装置の装備は技術的には可能としながらも「転倒が考えられるような作業半径ではブームシリンダー負荷圧をかなり低い値に設定することになり、実用的でない」などと義務付けに難色を示している。本体角度計についても、開発期間などに5〜6年程度が必要とし、検討会でも「どの時点で義務付けるかは調整が必要だ」などの意見が上がっている。
 厚労省はこのほか、解体用建機の運転席関係の構造規格の見直し案も提示。運転席の前面に安全ガラスや解体物の飛来防護設備の装備を義務付けるなどとした。
 検討会は、今回議論した構造規格に加え、就業制限や使用方法なども含めた解体用建機の安全規制に関する提言を12月上旬にまとめる。厚労省はこの提言を踏まえ、2013年度早期に改正政省令を施行し、経過措置を設けた上で安全規制を講じるとしている。

提供:建通新聞社