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中央ニュース

2012/12/05

PPP事業にJリートの参加を 不動産・インフラ市場活性化で提言

 内閣府の「不動産・インフラ投資市場活性化方策に関する有識者会議」は、不動産証券化市場やPFI事業の拡大に向けた報告書をまとめた。国内の個人金融資産1500兆円を不動産・インフラ市場に呼び込むため、収益施設の併存や複数施設の広域的運営を認める新型PPP制度の導入、Jリート運用資産の多様化(ヘルスケア施設、海外不動産など)のほか、Jリートがインフラ投資市場に参加する「PPP−REIT」の検討などを提言した。
 報告書では、日本経済のデフレ状況が続いている要因の一つに、民間企業部門に十分な資金需要がない反面、リスクの高い投資に資金が流れなかったり、政府の財政状況も厳しく必要なインフラに資金が回らないなど、資金の流れが停滞していることにあると分析。
 一方、不動産証券化市場には全収益不動産の16%、PFI事業には既存ストック全体の0・6%しか資金が投入されていないため、更新需要を迎える不動産・インフラ市場に個人金融資産をはじめとする大量の資金を投入する必要があると訴えている。
 PFI事業の拡大に向けては、新型PPP制度の導入を提案。公共施設等運営権を活用し、公共施設に収益施設を併設したり、副産物の売却を認めれば、事業の収益性を高めることが可能だとした。また、小規模事業もPFI導入のメリットが得られるよう、複数の学校施設の耐震改修や維持管理に包括的にPFIを導入したり、事業期間を長期化するなどなどの取り組みが必要だとした。
 Jリート市場を活性化するため、現在はオフィスビル・商業施設・賃貸住宅が大半を占める投資先を、高齢者住宅や有料老人ホームなどのヘルスケア施設に拡大するよう提言。投資対象の裾野を広げてリスク低減を図り、年金基金などの機関投資家を呼び込むことを期待する。
 また、幅広くPPP事業を展開していく上で、公共インフラと民間不動産を一体的に整備・運営する機会が増加することを想定。Jリートをインフラ投資市場で活用し、PPP事業者の資金調達手段の多様化を図ることも提言した。具体的には、PFI事業者の株式をJリートが一部取得することを検討するよう求めている。

提供:建通新聞社