厚生労働省は、積立水準が低い厚生年金基金に財政健全化などを求める「指定基金制度」で、新たに厚生年金基金18基金を指定基金に追加した。新たに追加した基金には、茨城県、栃木県、京都府の各建設業厚生年金基金なども含まれている。今回の追加で、継続的に指定を受ける基金は全厚生年金基金571基金のうち97基金に上っている。
指定基金制度では「3事業年度の決算で連続して最低責任準備金が9割以下」か「直近の事業年度の決算で積立金総額が最低責任準備金の8割以下」のいずれかに当たる基金に財政健全化計画の提出を求め、計画に沿った事業運営を行うよう同省が重点的に指導する。
指定基金に追加された18基金のうち、建設業関連では▽茨城県建設業厚生年金基金▽栃木県建設業厚生年金基金▽京都府建設業厚生年金基金▽北信越管工事業厚生年金基金▽全九州電気工事業厚生年金基金―が新たに指定された。今後5年間の財政健全化計画を提出した上で、最低責任準備金が9割を超えた時点で指定を解除する。
厚労省では、AIJ投資顧問の年金消失問題をめぐり、有識者による専門委員会を設置して制度改革を検討中。指定基金制度にかかわる最低責任準備金については、準備金の計算方法の見直しなどを議論している。
提供:建通新聞社