国土交通省は14日、「下水道施設の運営におけるPPP/PFIの活用に関する検討会」(座長・滝沢智東京大学大学院教授)の初会合を開き、下水道施設の運営にPPP/PFIを活用していくための具体的な検討に着手した。管渠や処理場といった施設ごとに活用方法を絞り込んだ上で、リスク管理・危機対応の在り方などを話し合い、2013年3月に中間報告をまとめる。13年度中にはPPP/PFI展開スキームを盛り込んだ最終報告を策定する方針だ。
下水道は、管路延長が約44万`、処理場数が約2200カ所に達し、その多くは老朽化が進行しつつある。他方、下水道管理者である自治体は厳しい財政や人材不足に悩まされ、十分な対応が難しいのが現状だ。こうした状況を打開するため国交省はPFI/PPPの活用を促進していくことが必要と判断した。
下水道施設では、既に管路施設の維持管理や処理施設の運転管理などの分野で民間委託・包括的民間委託が進んでいるものの、PFI事業の実績は11年度末時点で7件にとどまっている。
このため検討会では、PPP/PFIの活用によって▽更新投資のピーク時対応▽資源有効活用など新たな事業分野の開拓▽国際展開を視野に入れた国内事業▽下水道事業債の総額増大の抑制▽職員減少への対応―といった課題が解決されるのかどうかを議論。その上で、施設ごとに民間の技術・ノウハウ・資金の活用方法を探る。PPP/PFIを導入した場合のリスク管理・危機対応の在り方も検討していく。
提供:建通新聞社