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2012/12/28

「建設産業は災害対応に重要な役割」 太田新国交相が就任会見

 12月26日に発足した第2次安倍内閣で、新たな国土交通相に公明党の太田昭宏氏が就任した。太田国交相は前回09年の総選挙で落選したのち、被災地や地元の商店街などを精力的に訪れ、東日本大震災からの復興の遅れや景気低迷に苦しむ国民の悲鳴にも似た声に触れたという。約3年ぶりに国政復帰を果たした太田国交相は、こうした経験を被災地復興や地域再生にどう生かしていくのか。27日の就任会見で聞いた。
 ―国土交通行政をどのように進めていきますか。
 「安倍首相からは、経済活性化、復興の加速、防災・減災に取り組むよう指示を受けた。これを踏まえ、公共施設の耐震化や老朽化したインフラの維持・更新、通学路の安全対策、液状化対策、密集市街地の整備、ゲリラ豪雨対策などに力を尽くしていく」
 「八ツ場ダムの取り扱いについては、民主党政権で紆余曲折があったが、前田武志元国交相が建設継続を決定した。そのことを尊重し、早期完成に向けて取り組む」
 ―東日本大震災の復旧・復興の現状をどう見ていますか。
 「道路整備などは進捗しているが、高台移転を含めたまちづくりや、仮設住宅から復興住宅への移転などは遅れている。被災地は2回目の冬を迎えた。被災者の心情に即した取り組みが求められる」
 ―公明党の政権公約に盛り込んだ「防災・減災ニューディール法の制定」は、どうやって実現するのでしょう。
 「『防災・減災ニューディール法』は、緊急を要するものに狙いを定めている点が特徴だ。自民党は『国土強靭(きょうじん)化基本法の制定』を打ち出しているため、今後の取り扱いは両党で調整した上で固めていく」
 ―年明けに見込まれている補正予算の編成方針をお聞かせください。
 「公明党、自民党ともに10兆円規模を主張してきた。具体的な数字はともかく10兆円規模の補正は連立合意の大事な柱だ。こうした認識の下、安倍首相の指示を待って対処したい」
 ―公共事業に対してはどのような考え方を持っていますか。
 「10年前には約9兆円だった公共事業関係費(一般会計)が、12年度には約4兆6000億円まで減少する事態となった。公共事業は具体的に中味を詰めて国民が納得できるものを積み上げていくことが重要。防災・減災を重視していく必要がある。結果として、それが公共事業の予算となって表れる」
 ―建設産業の役割と今後の方向性をどう認識していますか。
 「建設産業は構造物を造るという本来の役割に加え、震災や水害、雪害といった災害対応などに重要な役割を果たしている。反面、公共投資が縮小する中で、若者が業界から離れているという現実もある。日本全体で企業体力が弱っているが、その中でも建設業界の疲弊は著しい。一気にとはいかないだろうが、建設業が安心していい仕事ができ、若者の入職を促進する環境整備が必要だ」

提供:建通新聞社