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2013/01/21

木造校舎の構造設計標準改正で方向性

 文部科学省は、18日に開いた「木造校舎の構造設計標準の在り方に関する検討会」に、木造校舎のJIS規格(JIS A 3301)改正の方向性を示した。改正後のJIS規格の対象は平屋・2階建ての木造校舎。現行のJIS規格と同様に、ユニット(単位教室部分)を規定することにし、ユニットの平面形は片廊下型、中廊下型、大部屋型とする。検討会は3月中に改正に向けた報告書をまとめる予定。
 改正後のJIS規格に規定するのは平屋と2階建ての木造校舎。ユニット(単位教室部分)を基本条件とし、ユニットの組み合わせによる1棟の規模は2000平方b以下、防火壁で1000平方b以下となるよう区画することで、耐火建築物と準耐火建築物に該当しないようにする。
 3階建て木造校舎については、防火規制の見直しの動向を踏まえ、建築基準法が改正された場合に、その時点で対応を検討するとした。
 ユニットの平面形は、教室と廊下・多目的スペースの組み合わせによる片廊下型、中廊下型、廊下などがない大部屋型とする。2階建ての1階の階高は、現行の構造設計標準と同程度の3・65メートルで設定する。
 構造計画については、構法が「軸組構法」、水平力が「梁間方向と桁方向とも耐力壁で支持」、鉛直荷重が「2階床梁を単純梁方式」とすることなどをそれぞれ基本条件とする。
 木造校舎のJIS規格は、1983年以降大幅な改正がなく、学校施設の機能変化や木造建築物の技術開発の進展などに対応していないため、現在はほとんど活用されていない状況にある。文科省では、JIS規格の見直しに合わせて技術的資料も作成し、大規模な木造建築物の経験がない設計者が従来よりも木造を選択しやすい環境を整える考えだ。
 
提供:建通新聞社