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2013/02/12

知事8割 ミッシングリンク整備が必要 国交省調べ

 国土幹線道路ネットワーク(NW)の在り方をめぐり、ミッシングリンクの整備が必要と考えている都道府県知事の割合が8割に達することが、国土交通省の調べで分かった。個別意見を見ると、「災害時に有効に活用できる道路NWを早急に整備すべき」(福島県)、「東日本大震災の教訓から、太平洋側と日本海側を結ぶ高速交通網は特に早期整備が必要」(長野県)など、災害時に道路が果たす役割を高く評価していた。暫定2車線の4車線化を求める意見も目立った。
 この調査は、高速道路や直轄国道といった国土幹線道路の整備手法や料金制度の在り方を探るため、全ての都道府県知事に加え、市長会会長、町村会会長などを対象に実施した。回答数は都道府県47件、市町村99件となった。
 それによると、国土幹線道路NWの機能を早期に確保するための取り組みとしては、複数回答で都道府県の81%、市町村の60%が「ミッシングリンクの整備」を挙げた。個別意見では「災害発生時の物資輸送などを考慮すると、暫定2車線を早期に4車線化すべき」(和歌山県)、「暫定2車線区間では、平時でも交通事故などによる全面通行止めが発生しており、定時性や安全性の確保に問題がある」(岡山県)といった指摘もあった。
 維持更新に必要な財源の確保をめぐっては、高速道路などの有料道路の場合、都道府県の81%、市町村の76%が「利用者負担」が必要との認識を提示。具体的には「受益者負担の原則から、償還期間を延長することにより、当面必要な費用を確保し、将来的にも管理有料制度を導入し、道路利用者から継続して徴収すべき」(徳島県)との声が多かった。ただし、「採算性の問題がある高速道路や直轄国道は税負担により維持更新すべき」(富山県)、「無料区間、有料区間にかかわらず、大規模更新に必要な財源は国費を投入すべき」(山形県)と意見もあった。
 整備手続きに関しては、「国民に分かりやすい形での伝達」や「地方の声を反映させる手法の充実」が必要とする声が大勢を占めた。事業評価に対し「B/Cだけにとらわれず、地域経済への波及や救急医療、安全安心の確保など、地方の実情に合った評価項目も加味することが重要」(石川県)といった指摘も見られた。

提供:建通新聞社