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2013/04/12

塩分内在のRC床版・桁などは大規模更新

 東日本・中日本・西日本の高速道路会社3社による「高速道路資産の長期保全及び更新のあり方に関する技術検討委員会」は10日の会合で、構造物の大規模更新・修繕の必要性を判断するための要件をおおむね整理した。このうち大規模更新が必要な構造物には▽内在塩分などの影響がある鉄筋コンクリート(RC)床版・桁の橋梁▽1991年以前にグラウンドアンカーを施工した土工▽盤ぶくれで路面が隆起したトンネル―を挙げた。3社は今後1カ月程度で概算事業費などを含む中間報告案をまとめ、次回の会合に諮る考え。今秋の最終報告では対策の順位なども示していく。
 大規模更新では、補修を実施しても長期的に機能が保てない構造物を再施工。最新技術で現在の新設構造物の同水準またはそれ以上の性能を確保する。
 RC床版・桁の橋梁の大規模更新は、海砂を使い86年の塩化物量規制以前のものであるかどうか(=内材塩分)などを判断要件とする。該当すればRC床版は取り換え、RC桁は架け替える。
 グラウンドアンカーによる土工の大規模更新は、91年以前の旧タイプのアンカーで施工したかどうかで判断。該当するものは新タイプのアンカーで再施工する。新タイプのアンカーであっても、点検・調査などを通じて永続的に使用するための対策が必要な場合には大規模更新を実施する。
 盤ぶくれで路面が隆起したトンネルの大規模更新は、インバートの設置で対応する。強度低下地質でインバートがなく、覆工の変状が著しいトンネルなどについても大規模更新でインバートを設置する。
 一方、大規模修繕では、損傷した構造物の一部を補修・補強して性能や機能を回復させるとともに、新たな損傷の発生を抑えて長寿命化を図る。最新技術で建設当初の水準を超える性能を確保していく。
 例えば鋼桁の橋梁は、累積10d換算軸数が3000万回以上であれば▽亀裂補修▽2次部材取り換え▽対傾構増設▽桁補強▽床版剛性増―といった対策を行う。また、盛土による土工は、86年以前に脆弱(ぜいじゃく)岩で施工した段数3段以上のものならば▽砕石たて排水工▽排水管更生▽法面補強―を実施する。

提供:建通新聞社