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2013/07/05

「低い価格で入札を示唆」「不利益ほのめかす」−元請けが不適正な発注を訴え 国交省の「新労務単価フォローアップ相談ダイヤル」に

 元請け下請け契約の実態や、建設労働者への賃金の支払い状況について情報収集するため国土交通省が開設した「新労務単価フォローアップ相談ダイヤル」に、6月末現在で19件の相談が寄せられた。元請け建設業者からの相談が9件と最も多く、発注者による不適正な発注を訴えるものもあった。具体的には「一定の価格以下で入札するよう示唆され、従わない場合の不利益をほのめかされた」という。
 相談ダイヤルは、設計労務単価が大幅に引き上げられた4月以降の契約状況や賃金支払いの実態などを把握するため6月12日に開設した。
 これまでに寄せられた相談の内訳は、元請け建設業者からの相談が9件、下請け業者からが3件、警備業者からが4件で、このほかに発注者が1件、相談者の属性が不明なものが2件だった。
 地域別では関東ブロックが9件と最も多く、中部が4件、近畿が3件、北海道が2件、中国が1件となっている。相談内容は、発注者に関する相談が3件、元請けに関する相談が2件、行政についての意見が2件、新労務単価そのものに対する一般的な照会が12件あった。
 元請け業者からは、公共発注者が適正に発注しているかどうかを調べるべきといった意見や、発注者が低い価格での入札を強要したとみられる情報が寄せられた。今回の相談には「発注者が単価を上げてくれない」「(施工時期が新単価適用工事と重なるため)旧単価のままの工事に技術者が集まらない」との訴えもあった。
 一方、下請け業者からは新労務単価での見積もりを元請けに出すことで他社との競争に負けてしまうのではないかという不安の声が寄せられたほか、警備業者からは「地元のゼネコンが単価上昇に見合った見積もりに理解を示さない」との相談があった。
 労務単価の大幅引き上げを踏まえて建設業界と行政は、適切な価格での契約、技能労働者への適切な水準の賃金の支払い、社会保険加入の徹底に一致して取り組むことにしている。こうした取り組みの実態を把握するため国交省では、元請け、下請け、技能老労働者などから現場の生の声を幅広く集めたい考えだが、これまでのところ現場労働者からの相談が1件も寄せられていない。このため現場労働者の目に触れやすい場所に相談ダイヤルのリーフレットを配布し、周知を図っていく。
 相談ダイヤルの電話番号(全国共通)は0570―004976。電子メール(shinromutanka-fsd@mlit.go.jp)でも相談を受け付ける。

提供:建通新聞社