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2013/07/08

詳細設計の照査体制強化 「赤黄チェック」100件程度で試行 国交省

 国土交通省は、直轄工事の設計業務における図面作成ミスを減らすため、詳細設計業務の照査で「赤黄チェック」を試行する。赤黄チェックは、設計図、設計計算書、計算書に赤書きで確認チェックマークを入れ、修正箇所を黄色で消した上で赤書きで修正する取り組み。7月以降に発注する詳細設計業務を対象に、各地方整備局などで約10件、合計100件程度を試行する方針だ。試行案件では照査費を工種に応じ10〜50%上乗せするため、委託費全体でみると2〜3%上昇する見込みだとしている。
 国交省が、直轄土木工事の三者会議で発覚した設計成果の不具合を調査したところ、構造物に影響のある不具合の発生は調査対象の26・7%に上った。このうち、半数はデータ入力時の不注意・確認不足による図面作成ミスなどが原因で、照査体制の強化により単純ミスの減少を図る。
 赤黄チェックは、建設コンサルタンツ協会(建コン協)が11年度に作成した「品質向上に係る品質向上推進ガイドライン」に盛り込まれた施策。
設計図と設計計算書、設計図と数量計算書の相互の整合について、設計図・設計計算書・数量計算書に赤書で確認チェックマークを入れ、修正箇所は黄色で消し赤書により訂正する。
 赤黄チェックを行った資料は納品せず提示のみとし、照査報告書や打ち合わせ記録簿に提示の有無を記載する。
 2013年度の試行案件の受注者に対しては、業務完了後にアンケート調査も行い、赤黄チェックの効果を尋ねる。14年度以降の本格実施を見据え、照査の歩掛の見直しも検討する。
 国交省では、単純ミスが他工種に比べて多い道路や橋梁の詳細設計などで、より試行の効果が得られるのではないかとみている。建コン協が行ったアンケート調査では、赤黄チェックの実施で約9割の会員企業がミス防止に何らかの効果があったと回答している。

提供:建通新聞社