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2013/07/28

全建=適正賃金、脱ダンピングへキャンペーン 賃金水準実態調査も 8月から本格化

 全国建設業協会(全建、淺沼健一会長)は26日の理事会で、4月の「公共工事の適正な執行に関する緊急決議」を踏まえたキャンペーンの実施を決めた。労働者に対する適切な水準の賃金支払いや、脱ダンピング受注などに向けて取り組みを強化するもので、柱は▽都道府県協会の会員企業の実務者を集めたセミナーの開催▽都道府県協会に出向いて重点事項を説明するキャラバンの実施▽相談窓口の設置―の三つ。技能労働者の賃金水準の実態調査や、都道府県協会を通じた会員企業アンケートも行う。8月から本格的にスタートし、今秋のブロック会議などでキャンペーンの成果をアピールしたい考え。
 全建は2013年度の設計労務単価の大幅アップや、太田昭宏国土交通省の「適正な賃金水準の確保」に関する要請を受け、4月に▽迅速・円滑な公共事業の施工の確保▽労働者への適切な水準の賃金の支払い▽社会保険などへの加入促進▽適切な価格での契約と脱ダンピング受注の推進―を緊急決議した。都道府県協会でもその趣旨を踏まえた同様の決議がなされつつある。
 キャンペーンの重点事項として、賃金支払いの面では、1次下請けへの見積もり依頼時に設計労務単価を示して適切な契約を結ぶ。1次下請けだけでなく、2次以下にも1次下請けを介して、社会保険料などの個人負担分を含めた賃金支払いを要請する。
 脱ダンピング受注をめぐっては、都道府県協会の会員企業に対応を求めつつ、下請けの標準見積もり書を踏まえた法定福利費の適正な負担を呼び掛ける。国や自治体だけでなく、民間の発注者に対しても適正な利潤と法定福利費の確保を要請する。
 賃金水準の実態調査は国土交通省からの要請を受けて行う。対象職種は既に調査の実施を決めた日建連と同様の18職種とし、都道府県協会を通じて会員企業からデータ(1職種当たり5〜10社程度)を集める。頻度は四半期ごと、期間は14年6月までを予定している。
 会員企業アンケートは、群馬県建設業協会の先行事例を参考にしながら、8月上旬に実施方法などを固める。緊急決議に基づく取り組みを効果的に推進するための方策の検討に役立てるのが目的だ。
 淺沼会長は、設計労務単価の引き上げなどに言及し「建設人として誇りを持って、当たり前のことを当たり前に行動する」ことの重要性を強調。地域建設業が今後の国土強靭(きょうじん)化を担うためにも「積極的に取り組んでほしい」と訴えた。

提供:建通新聞社