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2013/09/10

インフラ輸出へ産学官協力し総合力に磨きを 桝野龍二国土交通審議官

 国土交通省で国際関係施策を統括することになった桝野龍二国土交通審議官が建設専門紙の共同取材に応えた。桝野審議官は「これからはアセアン諸国(の経済成長)が非常に強いのではないか。日本の建設業、運輸業以外の人たちが興味を持っている」と語り、東南アジアがパッケージ型インフラ輸出の重点ターゲットになるとの見方を示した。また、厳しい競争に勝ち受注していくためには産学官が協力し、日本の良さである「トータルな力」を磨いていく必要があると指摘した。
 桝野審議官は現在、プロジェクトの海外輸出が非常に重要視され、安倍内閣の取り組みの大きな課題の一つになっていることに触れた上で、「大きな役目なのでしっかりやっていきたい。いろんな意味で政府として後押しする部分があり、その役割、期待に応えていきたい」と語った。
 特に法制度や慣習の違いがネックとなり、なかなか日本企業が海外のインフラマーケットに進出できていない点については、「政府として調べたり、調整したりして、海外に出やすくする。私は関係各局がやっていることを総合的にとりまとめる立場なので、横串的な考えを踏まえながら、対応していきたい」と話した。
 また、日本国内の建設投資が減少する中、アジアでは今後、インフラ投資が拡大していくとみられることから「新興国の旺盛なインフラ需要を積極的に取り込んでいくことは、日本国内の成長にも意味がある」と指摘。プロジェクト受注による直接的な利益だけでなく、「いいものをつくって現地が経済発展すれば、そこに日本の違う産業が来てものが売れる。アセアン全体として良い循環になっていくだろう」とみる。
 ただ、現実には世界各国との厳しい競争になるため「コスト面も含めて総合力を発揮して勝ち抜いていかないといけない」と話し、磨くべきセールスポイントは「その国のためになるものを提案し、つくってきちんと運営する。運営する人材も育ててあげる。日本が持つきめ細かさであり運営力だ」と強調。不動産、住宅の分野などでも「きめ細かな開発力、企画力が世界で評価されるようにしていきたい」と話した。
 自然災害への対応でも、産学官が一体となり日本の知見を紹介しながら、相手国と共に話し合っていく「防災協働対話」を標ぼう。相手国の防災機能の向上に貢献するだけでなく、「わが国の経験、技術を海外に展開することで国内も技術が向上する」と話した。

提供:建通新聞社