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2013/09/17

国交省 若年技能者の顕彰制度創設へ キャリアアップの目標に

 国土交通省は、優れた若年技能者に対する顕彰制度を2015年度に創設することを決めた。1992年度にスタートした「優秀施工者国土交通大臣顕彰(建設マスター)」は原則40〜60歳の技能労働者を対象としており、対象年齢を引き下げた新たな顕彰制度を立ち上げる。新たな顕彰制度は、登録基幹技能者の有資格者であることなどを条件として、若手技能者が建設マスターを受賞するまでのキャリアアップの目標となるよう制度を構築する。また、建設マスターの顕彰基準も見直し、各建設業団体からの女性技能者に対する推薦枠を14年度から別枠で設けることにする。
 優れた技能・技術を持つ建設技能者に対する建設マスターは▽建設現場業務に直接従事している期間が20年以上▽年齢が40〜60歳▽自己の責任に関する無事故期間が3年以上―を対象としている。
 制度開始から12年度までに7646人を顕彰しているが、11年度と12年度の被顕彰者の平均年齢は52・2歳。「相当の理由」がある場合に限って35〜40歳の技能労働者も顕彰を受けられることになってはいるが、建設業団体の推薦可能人数に上限があるため、現実的には若手技能者に機会が回ってくることは少ない。
 国交省が推薦団体などを対象に実施したアンケート調査でも、若手技能者を対象とした顕彰制度の創設を求める声が多数を占めたことから、15年度に制度を創設することを決めた。
 顕彰の対象は、登録基幹技能者や登録基幹技能者に相当する資格・実務経験を求めることを想定しているため、登録基幹技能者の資格取得年齢の最頻値である37歳に近い「30〜40歳」か「30〜35歳」をターゲットとする方向で検討する。また、専門工事業団体が独自で行っている若年技能者向けの表彰制度への影響、技能労働者のキャリアアップの過程における新たな顕彰制度の位置付けなども踏まえ、制度の枠組みを構築する。
 一方で、現行の建設マスターについても、14年度から女性技能者が顕彰されやすいよう制度を改善する。建設マスターに選ばれた女性技能者は制度開始から12年度までで8人にとどまっていることから、顕彰の要件である現場従事期間(20年)に産前。産後休業、育児休業、介護休業などで現場から離れた期間を含めたり、各団体が別枠で女性技能者を推薦できるようにする。
 また、建設マスターの審査基準にある技能者の実績などの証明が難しいとの推薦団体からの声に応え、過去の顕彰者の事例集をまとめ、各団体に提示する。申請手続き自体も簡素化し、各団体が推薦可能人数の上限まで推薦できる環境を整備する。

提供:建通新聞社