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2013/09/19

国交省 入札契約で担い手確保配慮 経審見直しも検討

 国土交通省は18日、中央建設業審議会・社会資本整備審議会の基本問題小委員会を開き、今後の入札契約制度改正の方向性を提示した。この中で国交省は、建設産業の人手不足解消を目的に、中長期的な担い手確保に配慮することを柱に制度改正を進める方向性を明確化し、経営事項審査や競争参加資格審査などの見直しを提示。入札契約の各段階で若手技術者・技能者を雇用する企業や地域企業の実績などの評価を高める方針を示した。個別の入札契約方式でも、技術力を競った上で価格を交渉する「技術提案競争・交渉方式(仮称)」など、発注者が事業特性に応じて選択できる、多様な入札契約方式を体系的に位置付ける考えを示している。
 現在の予算決算及び会計令(予決令)や公共工事品質確保促進法では、発注者が個々の公共工事の品質確保に重点を置いた画一的な入札・契約を行うことになっている。これに対し、国交省は、インフラの品質を確保するためにも担い手の確保が求められているとの認識で、中長期的な担い手確保に配慮する視点を制度改正の柱として打ち出した。
 具体的には▽経営事項審査▽競争参加資格審査▽個別入札の競争参加資格の設定▽総合評価―など、入札契約の各段階の企業評価にこうした考えを反映。例えば、経営事項審査の客観的審査事項で若手技術者・技能者の雇用企業に対する評価を拡充したり、競争参加資格審査や個別入札の競争参加資格の設定、総合評価の段階でも、若年入職者への伝統技術の継承や防災協定の加入状況などの実績を評価する。
 一方、中長期的な担い手確保だけでなく「行き過ぎた価格競争の是正」「地域のインフラメンテナンス」「発注者のマンパワー不足」など、建設産業を取り巻く課題を解消するため、発注者が事業の性格や地域特性に応じて選択できる多様な入札契約方式も提示。技術的難易度が高い工事を対象に、価格によらずに受注者を選定できる「技術提案競争・交渉方式(仮称)」や、関連性のある複数の工種や工区をまとめて対象にする「複数工種・工区等一括契約(仮称)」などの具体案を示している。
 この多様な入札契約方式は、公共工事品質確保促進法の体系に位置付けることで実行性を担保できるよう検討する。また、各発注者が適切に入札契約方式を選択できるよう、技術的助言となる運用方針を国が策定するとしている。

提供:建通新聞社