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2013/10/04

適判制度 申請者が判定機関を選択 国交省が確認検査制度見直し案

 国土交通省は、効率的で実効性のある建築確認検査制度の見直しに向けた検討の方向性をまとめた。これによると、構造計算適合性判定(適判)について、申請者が判定機関や申請時期を選択できるようにしたり、判定の対象建築物の見直しなどを検討。建築確認制度についても、計画変更の手続きが不要になる「軽微な変更」の適用範囲を拡大する方向で制度を見直す。現在は特定行政庁に限られている仮使用承認の審査に指定確認検査機関を活用して、仮使用が円滑に進む仕組みを構築する。
 建築確認検査制度の在り方については、社会資本整備審議会の建築基準制度部会が12年9月から検討を開始。国交省は3日に開かれた部会の8回目の会合に、これまでの議論をを踏まえた検討の方向性を示した。
 適判制度については、判定機関の数が少ないことから円滑な審査ができず、審査が遅れるケースがあるとの指摘がある。このため、適判の第三者性を確保しつつ、申請者が判定機関や申請時期を選択できるよう制度を見直す。判定員による審査のばらつきをなくすため、判定員の質の確保に取り組んだり、判定結果に対する不服申し立てができる仕組みも検討する。
 木造3階建てや鉄骨造3階建てなどの小規模建築物の中で、軒高の違いなどで適判の対象となる物件があるとの指摘を踏まえ、構造計算の方法や技術的難易度、特定行政庁などの審査能力の実態に基づき、対象範囲の見直しも検討する。
 建築確認制度では、建築確認を受けた後に計画を変更する際、建築基準関係規定への適合などを条件に、計画変更手続きを省略する「軽微な変更」という仕組みがある。近年の建築現場では、確認の段階ではテナントが決まらず、工事途中で計画を変更するケースが増えており、この軽微な変更の対象範囲を拡大することで、制度を近年の建築活動の実態に合わせる。
 このほか、特定行政庁が行う仮使用承認の手続きは審査が長期間に及ぶとの意見が多いことから、特定行政庁だけでなく、指定確認検査機関を活用して円滑に審査が進む仕組みを検討。定期調査・検査報告制度の実効性を確保するため、定期報告の調査・検査資格者の資質向上を図るための講習の在り方も検討するなどとしている。
 国交省は、建築基準制度部会が早ければ14年1月にまとめる報告書をベースに、必要な建築法制の見直しを図る。

提供:建通新聞社