トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2013/10/10

石綿損傷・劣化を定期確認 建築物所有者 厚労省が検討

 厚生労働省は7日に「建築物の解体等における石綿ばく露防止対策等技術的検討のための専門家会議」を開き、石綿ばく露対策の強化に向けた報告書の素案を示した。素案では、建築物などの所有者の責務として、建築物の石綿の使用状況(損傷、劣化など)を定期的に確認することが望ましいと明記。解体・改修工事などの受注者に対しては、石綿の使用状況を事前に発注者に確認するよう、行政が指導することが適当だとしている。
 石綿則第10条では、事業者に対して、労働者を就業させる建築物などに石綿ばく露の恐れがある際、除去・封じ込めなどの実施を求めている。また、解体・改修工事などで臨時に労働者を就業させる場合には、呼吸用保護具、作業衣、保護衣の着用を義務付けている。
 ただ、石綿の使用状況は、建築物などの所有者が把握していることが多く、解体・改修工事などを行う建設業者がこうした情報を入手するのは困難なケースが目立つ。
 厚労省が7日の専門家会議に示した報告書の素案では、建築物の所有者などの責務として、石綿や保温剤、耐火被覆材などの損傷、劣化などの状況を定期的に確認することが望ましいと記載。さらに、目視での確認が難しい場合には、石綿の気中濃度を定期的に測定するよう求めた。
 解体・改修工事などの受注者に対しては、事前に建築物の所有者に石綿の使用状況を確認するよう指導するとともに、石綿の使用状況が不明な場合に備え、呼吸用保護具・保護衣・作業衣を着用する措置を講じることが適当とした。
 一方、石綿の除去作業時の漏えい監視については、主な漏えい箇所である前室と集じん排気装置の管理を重要視し、前室に洗身設備と更衣設備を併設したり、作業開始直後に集じん・排気装置の排気口の粉じん濃度を測定し、集じん装置が粉じんを捕集しているかを点検するよう求めた。
 厚労省は、10月中にまとまる専門家会議の報告書を踏まえ、石綿則の改正によって石綿ばく露対策の強化を図る考え。

提供:建通新聞社