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2013/11/28

16年度から「先導的導入事業 導入事業選定の指針策定も 国交省のCIM制度検討会

 国土交通省は、CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)の導入計画を見直す方針を決めた。2012年度から進めている直轄工事での試行を継続しつつ、15年度から維持管理分野にも試行を拡大。16年度からは、設計、工事、維持管理までの一連の建設プロセスの効率化を図る「先導的導入事業(仮称)」を実施するとしている。先導的導入事業を選定するための発注者向けガイドラインも策定する。
 26日に「CIM制度検討会」を開き、導入計画を見直す方針を示した。 検討会では、12年度に行った11件の試行業務(詳細設計など)の効果を検証し、CIMを導入する際の制度面の課題を整理。具体的には、CIM導入に合わせて既存の基準要領類の制約を緩和し、ソフトウェア特性に応じた柔軟な要領基準を適用する必要性や、制度導入に見合った受発注者双方の教育研修制度を創設すべきなどと指摘している。契約制度についても、設計・施工分離発注がCIM導入の障壁になるとして、設計施工一括発注でより大きな導入効果を発揮する必要があるとした。
 こうした制度面の課題に加え、インフラの整備が計画から施工までの工程に5〜10年を要することから、国交省はCIM導入の効果の本格的な検証には数年以上の期間が必要になると判断。12年度にまとめた16年度までの導入計画を見直す方針を検討会に提示した。
 見直し後の計画では、試行の効果を検証して活用範囲を絞り込む「基礎的試行」、維持管理段階の試行も行う「利活用試行」、一連の建設プロセスで効率化を図る「適用試行導入」の三つのフェーズに分け、CIMの導入を進める方向性を示している。適用試行導入の段階では、ガイドラインを定めて先導的導入事業を選定するとしている。
 検討会は13年度末にも次回会合を開き、13年度の試行(工事22件、設計20件)の導入効果の検証などを行う。

提供:建通新聞社