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2014/01/22

東日本高速がICTで橋梁点検を支援

 東日本高速道路会社は東京大学や北海道大学と共同で、ICT(情報通信技術)を活用した新たな橋梁点検支援システムを開発した。「評価支援システム」と「入力支援システム」の二つで構成するもので、変状内容の評価の平準化や点検技術者の効果的な育成、点検作業の効率化を狙う。今後、橋梁点検を行う一部の現場組織で試行導入した上で、全社的に展開する予定だ。
 具体的に見ると「評価支援システム」は、橋梁点検で得た変状画像などを登録すると、瞬時に過去の点検データを検索して類似の事案を確認できる。橋梁の設置環境や変状内容などの文字情報も加味すれば、より精度の高い検索も可能。熟練の点検技術者が持つノウハウを「暗黙知」から「形式知」へと変換し、点検技術者の効果的な育成につなげる。
 将来的には、高速道路以外のインフラ管理の場でも活用の可能性を検討していく。
 また「入力支援システム」は、スマートフォンとGPS機能などを活用し、点検技術者の位置情報を自動的に取得。点検員が過去の変状内容などを確認しながら作業を進めることができる。点検時に入力したデータはデータベースに自動的に登録される。
 評価支援システムの効果と合わせ、紙とカメラを使ったこれまでの方法に比べ3割程度の時間短縮効果があるという。
 東日本高速が管理する高速道路には約3500橋があり、2020年にはそのうち約5割が建設から50年を経過する。また、ネットワークの拡充に伴い大型車交通が増え、車両の総重量も増加傾向が見られるなど、高速道路の使用環境が従来よりもさらに厳しくなってきた。
 一方で、熟練した点検技術者の減少が想定されており、高速道路インフラの老朽化に対する適切な対応が大きな課題となっている。
 このため東日本高速は13年7月、ICTと専門技術者を融合させて維持管理・更新の効率化や高度化、着実化を目指す「スマートメンテナンスハイウェイ」(SMH)構想を発表。20年度を目標に、道路交通管制センターと連動した「インフラ管理センター(仮称)」を立ち上げてSMHを確立する方針を打ち出していた。

提供:建通新聞社