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2014/03/28

自民党設計議連が提言案採択 議員立法で成立目指す

 自民党の建築設計議員連盟(額賀福志郎会長)は27日に開いた総会の中で、日本建築士事務所協会連合会(日事連・三栖邦博会長)ら建築三会が共同で提案した「建築物の設計・工事監理の業の適正化および建築主への情報開示の充実」に対する提言案を採択した。建築士法の改正により措置すべき事項のうち、書面による業務契約の締結義務化については「延床面積が300平方bを超える建築物」を対象としたほか、一括再委託を禁止する建築物の範囲についても「延床面積が300平方b超」と明記。管理建築士の責務の明確化のうち、事務所の技術的事項を総括する業務として▽受託業務の遂行に必要な期間の設定▽技術者の選定・配置―など4項目を示した。今国会中に議員立法での提出・成立を目指す方針で、今後、最終的な調整・協議に入る。
 日事連、日本建築士会連合会(三井所清典会長)、日本建築家協会(JIA・芦原太郎会長)の三会が強く要望していた「設計・工事監理業の適正化」については、▽書面による業務契約の締結義務化(延床面積300平方b超)▽一括再委託の禁止(延床面積300平方b超)▽適正な代価での契約締結の責務(国土交通大臣の定める報酬規準に準拠)▽管理建築士の責務の明確化▽保険契約の締結などの責務―の5項目を「士法改正により措置すべき事項」とした。また▽建築士免許証提示の義務化▽建築設備士の役割の明確化▽建築士事務所の登録基準の強化▽国交大臣や都道府県知事による建築士の調査権の創設―など6項目を新設し、士法の改正案に盛り込む考えだ。
 一方で、士法改正に併せて国交省が講ずべき措置として▽無登録業務の禁止徹底(技術的助言)▽勤務先など免許証の記載事項の追加(省令改正)▽定期講習の受講間隔を3年から5年に変更(省令改正)―など5項目を挙げている。
 一般住宅など延床面積300平方b以下の小規模建築物の書面契約締結の推進に向けては、「関係団体を中心にモデル契約書を作成・普及することで、書面契約が円滑に実施される環境を整備すべき」とし、今後の検討課題に位置付けた。
 額賀会長は「三会から共同提案を受けた後、勉強会で中身を精査したほか、関連団体のヒアリングなどを経て、士法改正などの措置が必要との結論に至った。厳しい日程ではあるが、今国会で議員立法として成立につなげたい」とあいさつ。
 日事連の三栖会長は「建築設計界にとって、今回の提言は設計・監理業務の適正化に向けた第一歩だと確信している。制度の改正を契機に、より質の高い設計・工事監理業務の実施につなげたい」と力を込めた。

提供:建通新聞社