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2014/03/29

南海トラフ対策基本計画を決定 津波対策強化地域に139市町村

 政府の中央防災会議は28日、南海トラフ地震の被害を軽減する施策と達成目標などを示す「南海トラフ地震防災対策推進基本計画」をまとめた。今後10年間で南海トラフ地震の発生で想定される死者33万2000人を8割減、建築物の全壊棟数250万棟を5割減とする減災目標を定め、住宅の耐震化率向上、密集市街地の解消、津波避難ビルの整備などを進める。地震や津波での被害が予想される「防災対策推進地域」に1都2府26県の707市町村を指定し、このうち、津波被害が見込まれる「津波避難対策特別強化地域」として14都県の1都13県の139市町村を指定。指定された市町村に財政支援や規制緩和などを与え、対策を急がせる。
 基本計画は、2013年の臨時国会で成立した「南海トラフ対策特措法」に基づくもの。減災目標を達成するため、地震、火災、津波などの項目別に対策の目標数値を示している。
 地震対策では、住宅の耐震化率を08年の推計値である79%から15年に90%、20年に95%まで向上させる。不特定多数が利用する建築物は08年推計値の80%を15年に90%まで引き上げる。火災対策では、避難地・避難路の整備や建築物の不燃化などにより、15年度までに密集市街地4000fの解消を目指すとした。
 津波対策では、津波からの避難が困難な地域を持つすべての市町村で津波避難ビルを指定させる。海岸保全施設の整備、海岸堤防の耐震化や嵩上げなど、インフラの強化も進める。
 基本計画に盛り込まれた対策は、防災対策推進地域などに指定された都府県と市町村を中心に実施。防災対策推進地域には、南海トラフ地震の被害想定が、震度6弱以上で、津波高3b以上などの基準に該当する29都府県707市町村を指定。静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、奈良県、和歌山県、宮崎県の全域に加え、四国は全4県が全域で指定を受けた。
 防災対策推進地域のうち、津波による30a以上の浸水が地震発生後30分以内に生じる可能性がある14都県139市町村は、津波避難対策特別強化地域に指定する。強化地域内の市町村には、5カ年の津波避難対策緊急事業計画の策定を求め、津波避難タワーや避難経路の整備に対する国庫補助の嵩上げ、高台移転に関する規制緩和、公共施設の除却経費への地方債の充当などの特例措置を講じる。

提供:建通新聞社