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中央ニュース

2014/03/29

一般管理費等に「適正利潤」 積算体系の見直しを提案 国交省・発注者責任懇談会

 国土交通省は、28日に開いた「発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会」で、より適正な予定価格を設定するために積算体系を見直す方向性を示した。企業の本支店の必要経費などを盛り込む「一般管理費等」について、受注者が人材育成や設備投資に必要な「適正な利潤」を確保できるよう算定方法の見直しを検討する。2015年度の積算基準改定に反映する方向で結論を出す。多様な入札契約方式では、各地方整備局で試行している若手技術者の配置を促す入札契約方式の試行を拡大する。
 より適正な予定価格の積算に向けては「品質確保と担い手確保の両立」を図る視点で現行の積算体系を見直す。予定価格を構成する工事原価(直接工事費、共通仮設費、現場管理費)については、歩掛(施工効率)や機材・労務・材料の価格、間接工事費率を適正に把握し、引き続き実態との乖離(かいり)が生じないように努める。
 一方、会社の本支店の必要経費、試験研究費、付加利益(法人税、役員賞与、内部留保など)を盛り込む一般管理費等を削って入札参加者が競争することが、企業の技術開発や建機保有、担い手の育成・確保を妨げる要因の一つになっていることを問題視。実勢の支出ベースだけでなく、人材育成と設備投資に必要な経費を企業が賄うことができるよう、一般管理費等の算定方法に「適正な利潤」の視点を盛り込む考えを示した。
 さらに、落札結果に基づく流通価格が実勢価格として積算根拠に使われ、予定価格が年々減少していく懸念を払しょくするため、実際には「幅」のある実勢価格を予定価格に反映させる仕組みを検討する。施工パッケージ型積算方式の適用工種の拡大に加え、概略積算による発注方式の導入など、抜本的な積算作業の効率化・簡素化も検討する。

「若手技術者の配置促進は試行拡大」

 懇談会には、多様な入札契約方式の検討内容も報告した。このうち若手技術者の配置を促す入札契約方式について、各地方整備局で進めている試行結果を分析し、試行の効果が確認された方式を拡大するとした。
 若手技術者の配置促進策の目的を35才以下の担当技術者の育成と45才以下の主任技術者の登用とし、担当技術者については、関東地整が行っている担当技術者の専任配置を総合評価で加点する方式の試行を拡大。主任技術者は、同種工事実績として現場代理人・担当技術者の実績も同等に評価する方式、一定の年齢以下の主任技術者の配置を参加要件に設定した方式の試行をそれぞれ増やす。
 地域のインフラを支える企業を確保するため、災害協定の締結や活動実績の有無を入札参加要件とすることも検討する。

提供:建通新聞社