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2014/06/07

中央新幹線アセスで大臣意見 発生土抑制などを注文 環境省 

 環境省は5日、東海旅客鉄道(JR東海)が事業化を計画している中央新幹線(東京都〜名古屋市間)の環境影響評価に対する環境大臣意見を国土交通相に提出した。環境相は、膨大な土量になると予想される発生土の抑制、計画的な温室効果ガス排出量の削減、湧水などによる水資源への影響の確認と適正な対策などを実施し、環境への影響を最大限、回避・低減するよう求めた。
 意見書は、中央新幹線がほとんどの区間をトンネルで通過し、多くの水系を横断するルート案を採用していることを受けて、「地下水がトンネル湧水として発生し、地下水位の低下や河川流量の減少・枯渇を招き、ひいては河川の生態系に不可逆的な影響を与える可能性が高い」などと懸念を表明。湧水を最小化するための工法を検討するよう要求した。
 具体的には、本線、先進坑、非常口(山岳部)のトンネルでは、防水シートや覆工コンクリートを早期かつ適切に施工し、必要に応じて防水型トンネルの施工などを行うよう要請した。
 特に、非常口(山岳部)から本線トンネルに至るトンネルが、浅層地下水の帯水層や浅層地下水と深層地下水を隔てる不透水層を貫通し、浅層地下水位の低下や、河川流量に影響を及ぼす可能性があるとの懸念を示し、各非常口(山岳部)のトンネル掘削に際しては、地下水位の調査結果を踏まえ、非常口トンネルの防水工の必要性についても検討するよう注文した。地質調査によって得られる実際の断層や破砕帯の状況などの地質情報を、環境保全措置の検討に反映させることも求めた。
 トンネル掘削などに伴う大量の発生土については、施設規模などの見直しを含め、発生量、場外搬出量の抑制について検討するよう要請。仮置場の設置場所の選定や、発生土の運搬、発生土の譲渡などに伴う二次的な土壌汚染や生態系の改変防止措置の徹底についても注文した。

提供:建通新聞社