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中央ニュース

2014/10/09

市町村に民間技術者派遣 

 国土交通省は8日、社会資本整備審議会・交通政策審議会の「社会資本メンテナンス戦略小委員会」に、市町村のインフラ維持管理体制の構築に向けた提言骨子案を示した。骨子案では、民間技術者の派遣を複数の市町村が共同で受け入れることを提案。派遣される民間技術者の保有資格・経験などを明らかにする「人材登録制度」の必要性も訴えた。高い技術力が求められるインフラの点検・診断、修繕を国が一貫して代行する制度の構築も求めている。
 「サステイナブルな維持管理実施体制の構築」と題した提言骨子案は、インフラの維持管理に関する法令・基準が整備され、新たな維持管理体制への移行が始まった中、財政・人員・技術力が不足している市町村の体制強化、国・都道府県の新たな支援策などの方向性を示した。
 市町村はまず、単独で組織体制の構築が困難な場合、地方自治法の「連携協約」や「事務の代替執行」などといった共同処理制度を活用し、近隣の市町村との連携で維持管理体制の強化を図る。
 それでも適切な維持管理を実施できない市町村に対しては、民間技術者の派遣を組織内に受け入れることを促し、その際には複数の市町村が共同で技術者を受け入れることも想定できるとした。
 派遣技術者の技術力の評価には、14年度中に創設される点検・診断の資格制度活用に加え、人材登録制度を構築して各技術者の保有資格・経験などを明らかにすることを求めた。市町村が負担する技術者の派遣費用の一部を国が支援する重要性も示している。
 従来は行政が行ってきた発注、監督、検査などの事務の外部委託も拡大する。「発注支援」「監督補助」「検査補助」などの形で業務の一部を民間に委託するとともに、点検・診断と補修・修繕の包括委託(複数業務・複数年包括契約)を進め、これまでそれぞれの業務・工事を担ってきた建設コンサルタントと建設企業の技術交流を促進させる。
 また、市町村からの要請に応じ、高度で社会的影響が大きい施設を対象に、国が点検・診断から補修・修繕を一貫して代行する制度を創設することも提言。市町村からの相談に都道府県や地方整備局が対応するための役割分担や手順をルール化するとともに、全国の維持管理に関する事例・データを蓄積するための新たな組織を発足させることを提案している。

提供:建通新聞社