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2014/11/29

新設調査・設計 来夏に資格制度構築

 国土交通省は、インフラの新設分野における調査・設計の資格制度構築に向けた議論を始めた。点検・診断の資格制度と同様に、計画・調査・設計を担う技術者の民間資格の登録制度として構築する。同省は28日に初会合を開いた「技術者資格制度小委員会」に、道路、河川・ダム、下水道、地質などの19分野の登録区分のたたき台を提示。2015年春に資格制度に関する小委員会の提言をまとめてもらい、同年夏に登録規程を告示、同年秋にも登録を希望する資格の公募を開始し、年内に登録資格を決める。
 国・地方自治体の調査・設計は土木技術職員の減少などを理由にほとんどが外部委託されているが、必ずしも必要な能力がある技術者を適切に配置できているわけではない。
 国交省が行ったアンケート調査によると、技術者に資格保有を求めていない市町村は49・6%とほぼ半数に上る。設計の不具合で施工に問題が生じた事例は11〜13年度に114件(都道府県22件、市町村92件)あり、各自治体は不具合の発生原因の79%が「設計業務を受注した企業の技術者の能力不足」にあると答えている。同じアンケートでは、外注業務の技術者を民間資格で評価する制度や有資格者を活用する枠組みを求める回答が大半を占めているという。
 こうした現状を踏まえ、小委員会は、来春までにインフラの新設設計・調査における民間資格の登録制度構築に向けた提言をまとめる。国交省は初会合で、登録制度の対象を同省所管のインフラ分野における計画、調査、設計業務とする方針を提示。測量法に基づく測量士の資格がある測量業務は登録の対象としない。
 登録制度の枠組みは、先行する点検・診断資格の登録制度と同様とするが、新設分野では資格取得時に成果物の技術上の照査を行う「照査技術者」の知識・技術を求める区分も設ける。
 登録区分となる施設分野は「建設コンサルタント登録規程」の登録部門をベースに、業務発注単位に応じて設定する。初会合で示された登録区分のたたき台では、道路、河川・ダム、下水道などの施設分野に加え、地質や土質・基礎といった各施設に横断的に関わる区分も設けられた。
 国交省は小委員会が来春にまとめる提言を踏まえ、来夏に登録規程を告示する。9〜10月に資格の評価方針を固めた上で民間資格の公募を始める。早ければ年内にも登録資格を決め、16年度以降の業務発注への活用を検討する。

提供:建通新聞社