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2014/12/03

保険未加入排除  国・地方7割で対策

 社会保険未加入企業を公共工事から排除する取り組みが、国・地方の発注機関に広がっていることが、国土交通省の調査(11月7日時点)で分かった。競争参加資格審査や入札公告で未加入の元請けの排除と未加入の1次下請けとの契約を原則禁止しているのは、中央省庁・特殊法人などで11機関、都道府県・政令市で7機関ある。競争参加資格審査や入札で未加入の元請けのみを排除する機関を含めると、調査対象98機関の約7割が対策を講じているか、今後、対策を講じることを決めたことになる。
 国交省は、8月1日以降の入札公告から、施工体制台帳の提出義務がある下請け総額3000万円以上(建築は4500万円以上)の直轄工事で、社会保険未加入の元請けの入札参加を認めない取り組みをスタート。
 元請けとの契約書には未加入の1次下請けとの契約を原則禁止することを明記した。元請けが提出する施工体制台帳で未加入の1次下請けとの契約が判明すると、制裁金、指名停止(最長4カ月)、工事成績評点の減点(最大20点)のペナルティーを科す。未加入の2次下請け以下の未加入企業についても、工事の発注部局から建設業許可部局に通報し、加入指導を行う。
 国交省が今回行った調査は、中央公共工事契約制度運用連絡協議会(中央公契連)に参加する中央省庁・特殊法人など31機関と、地方公共工事契約業務連絡協議会(地方公契連)に参加する都道府県・政令市を対象に実施したもの。
 中央公契連に参加する中央省庁などは、2015・16年度競争参加資格審査の一元受付で保険未加入企業の申請を受け付けないことにしており、一元受付を行っている22機関が、少なくとも未加入の元請けを排除する対策を講じている。このうち、国交省所管の高速道路会社6社、UR都市機構、水資源機構、鉄道・運輸機構と、農林水産省は、入札段階で元請けと1次下請けとの契約も原則禁止する。
 47都道府県と20政令市のうち、競争参加資格・入札公告における未加入の元請けの排除と未加入の下請けとの契約を原則禁止を決めているのは5県2市。愛媛県は、15・16年度入札参加資格審査申請で保険加入を要件としたり、15年4月以降、未加入の1次下請けと契約が判明した際の罰則も設ける予定。横浜市は、同様の対策に加え、2次下請け以下の保険状況も確認し、未加入企業を建設業許可部局に通報する。
 「検討中」と回答した都道府県・政令市の中にも、東京都のように、加入促進を周知する期間を設けた上で、2年後の17・18年度競争参加資格申請で未加入企業の排除を検討しているところもある。

提供:建通新聞社