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2014/12/19

日建連が中長期ビジョン中間まとめ

 日本建設業連合会(日建連、中村満義会長)は18日の理事会で「中長期ビジョン」の中間取りまとめを承認した。人口減少や巨大災害の切迫、インフラの老朽化などの環境変化を踏まえ、2050年を見据えた建設業の将来像を「役割」「業界全体」「企業」の視点で展望した。また、2025年までの期待される役割と担い手不足に対する方策を整理し、健全な「建設力」の実現を目指すとした。今後、関係団体や有識者などの意見を聞くとともに、25年までの技能労働者の増加数や生産システムの合理化に関する数値目標なども盛り込んで、来春に最終報告をまとめる。
 2050年を見据えた建設業の将来像としての着眼は▽21世紀の歴史をひらき、文化をつくる(役割)▽国民と共に歩み、地域と国を支える(業界全体)▽持続的成長可能な経営を実践し、国と世界の発展に貢献する(企業)―の三つ。
 このうち業界全体に関しては、生産性の向上とコスト管理の徹底などで「より良い建設生産物を合理的な価格で提供する」と明記。また、若者や女性など多様な技術者・技能者の個性・特長が生かせる「生産組織」と「就業環境」を整備するとともに、社会保険加入や休日の取得、賃金水準といった「基本的な労働条件」を他産業並みに引き上げるとしている。
 企業経営の面では、収益源の多角化も「重要な選択肢」と指摘。事業領域・地域の拡充の方向性として、建設事業のライフサイクルの川上・川下やPPP/PFI、環境・エネルギー・農業、海外展開などを挙げた。

【雇用・勤務形態、社員化・月給化の姿を数年以内に】

 一方、2025年までの健全な「建設力」は、若年技能労働者に代表される担い手の確保・育成、生産システムの合理化、国民的理解の確立を柱にさまざまな方策を展開し、従事する全ての人々の働きがいと魅力のある場に建設業を再生することで実現する。
 中でも担い手の確保・育成をめぐっては▽労務賃金改善▽社会保険全加入▽重層下請け構造改善▽週休2日制―といった具体的施策を列挙。さらに、処遇改善の基礎となる「雇用・勤務形態」と「社員化・月給化」の姿を数年以内に提言する方針を打ち出した。
 最終報告に盛り込む技能労働者の増加数は、担い手の確保・育成に関する取り組みで▽若年層(15〜24歳)の入職率▽中堅層(25〜59歳)の離職率▽高年齢層(60〜64歳)の減少率―が改善することを前提に、20年度と25年度の状況を推計。また、生産システムの合理化に関する数値目標については、今後10年間で5〜20%の省力化・省人化が可能などとする会員アンケートの結果を基に、技能労働者換算で示す。建設市場規模の推計(20年度、25年度)などとともに、最新の業界内外の動向を反映して弾く考え。

提供:建通新聞社