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2015/04/10

地域維持型、モデル事業で導入支援

 地域の社会資本の維持管理を包括的に契約する「地域維持型契約方式」の活用が、担い手3法の改正を受けて徐々に広がりつつある。昨年9月に改正された入札契約適正化指針で、同方式の実施主体に「事業協同組合」が明記されたことなどを受け、宮崎県では4月から地域維持型JVだけでなく、事業協同組合も請負業者と認める地域維持事業を実施。国土交通省は地方自治体の多様な入札契約方式を支援するモデル事業を2014年度から行っており、自治体による地域維持型契約方式の導入を支援する方針。
 地域維持型契約方式は、2011年8月に改正された入札契約適正化指針に位置付けられたもの。建設投資の減少で地域建設業が疲弊したことにより、災害対応、除雪、社会資本の維持管理などの地域維持事業を円滑に実施する狙いがある。地域の単体企業などが担っていた地域維持事業を複数工種・工区を組み合わせて発注したり、複数年で地域維持型JVなどと契約する仕組みだ。
 当初、入札契約適正化指針では、同方式の適用要件を「担い手の確保が困難となる恐れがある場合」などとし、地域の建設企業が減少して担い手がいなくなった山間地など「空白地帯」への導入を想定していた。
 改正品確法で、公共工事の発注者に中長期的な担い手の育成・確保を図ることが求められたことを受け、国交省は入札契約適正化指針を昨年9月に改正。同方式を「担い手の安定的な確保を図る必要がある場合」に適用できるように指針を改めた。また、地域維持型JVだけでなく、事業協同組合が受注できることも指針に明示した。
 こうした動きを踏まえ、宮崎県では15年度から県内17地区の道路・河川海岸・砂防の維持に地域維持型契約方式を導入。単体企業、地域維持型JVに加え、事業協同組合も請負業者とすることを認めた。
 同方式を導入した自治体からは「災害時を含めた施工体制が安定的に確保できる」「包括的発注による発注事務の負担軽減が図れる」といった声が国交省に寄せられているという。同省は、新たな入札契約方式の導入を目指す自治体に建設コンサルタントなどを派遣する「多様な入札契約方式モデル事業」を15年度も実施する。同事業での支援を通じ、市町村における地域維持型契約方式の普及を図る考えでいる。

提供:建通新聞社