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2015/11/21

若手入職を議論 全中建・若手経営者部会

 若手入職のために何をすべきか―。19日に開かれた全国中小建設業協会(松井守夫会長)の若手経営者部会(細沼順人部会長)が行ったグループディスカッションでは、新卒採用の難しさや中堅社員の不足など、地域建設業の厳しい現状が報告された。その一方で、地元の工業高校や専門学校と連携したリクルーティングや、建設業への理解を深める取り組み事例が紹介されるなど、有意義な情報共有の場となった。
 グループディスカッションは「若手入職」をテーマに実施。部会員が4グループに分かれ、若手確保・育成の現状と、課題解決に向けた取り組みなどが話し合われた。
 若手の確保については、「工場勤務など定時で帰宅できる職種に人気がある」「工業高校の数が少なくなってきている」といった声が各地域で上がった。有効な取り組み事例として紹介されたのが、地元の工業高校や専門学校との連携強化。「地元で学び、地元で就職する」との考えの下、積極的に生徒確保を目指しているという。
 また、「そもそも業界が知られていない」として、「建設業の仕事振りを多くの人の目に触れるようにすべき」との意見もあった。これに対しては、家族を現場に呼び、仕事内容をあらためて理解してもらったことで、職人自身のモチベーション向上につながったケースなどが紹介された。
 離職対策に頭を悩ませる部会員も少なくなかった。若者が入職しても気軽に話せる中堅社員が少なく、職場を去ることなどの理由からだ。解決策として示されたのは、「30代を中心とした飲みニケーションを開催している」「横のつながりを大切にするため、フットサル大会などを行っている」といった取り組み。また、「月給制にしたことで、ローンが組めるようになった。離職防止にもつながる」といった意見が出された。
 当日、講師として招かれていた芝浦工業大学工学部建築工学科の蟹澤宏剛教授はグループディスカッションについて、「危機感を持ち、情報を共有して話し合うことは非常に重要」と評価。その上で「業界の魅力を伸ばし、若者を受け入れるための環境整備を考えなければならない。皆さんのような経営者にしっかり考えてほしい」と呼び掛けた。

提供:建通新聞社