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2015/11/30

国交省 気候変動適応計画を策定

 国土交通省は気候変動適応計画を策定した。水害や土砂災害の頻発・激甚化など、地球温暖化の進行によって懸念される影響への適応策を盛った内容。施設能力を上回る外力に対しては、決壊に至る時間を引き延ばす堤防の構造を検討するなど、施設の運用・構造・整備手順に工夫した減災対策を講じるとしている。
 27日に政府の適応計画が閣議決定されたことを受けて、同省として取り組む適応策の考え方や施策を明らかにしたもの。社会資本整備審議会での議論などを反映させた内容だ。
 計画では、施策を「自然災害」や「国民生活・都市生活」など六つの分野ごとに整理。このうち自然災害分野は、さらに水害、土砂災害、高潮・高波などに分類した。水害に対しては、気候変動による外力の増大・頻発化を踏まえ、施設能力を上回る外力に対しても減災効果を発揮できること、手戻りなく施設の追加対策を講じることなどを目指すことにしている。
 具体的には、決壊に至る時間を引き延ばす堤防の構造の他、大規模な構造物の点検、既存施設の機能を最大限活用する運用などの取り組み内容を新たに検討していくことになる。併せて、施設の着実な整備や維持管理・更新の充実といった、これまでの取り組みをさらに進めていく。
 土砂災害に対する適応策として盛ったのは、人命を守る効果の高い箇所の施設整備や、大規模土砂移動現象を迅速に検知する危機管理体制の強化など。不明瞭な谷地形では、その地形特性を踏まえた合理的な施設構造を検討する考え。
 高潮・高波などには、防護水準を超えた超過外力への対策(港湾)、海岸浸食への対応強化(海岸)などを講じる。
 また、国民生活・都市生活分野は、交通インフラやヒートアイランド関連の施策に取り組む。交通インフラでは地下鉄駅の浸水対策、港湾BCPの策定、安全性・信頼性の高い道路網整備、無電柱化の推進などを掲げた。ヒートアイランドについては、民有地や公共空間の緑化、都市公園整備、下水処理水活用を進めるとしている。

提供:建通新聞社