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中央ニュース

2015/12/03

技能経験蓄積システム 国交省がたたき台

 国土交通省は2日に開かれた「建設技能労働者の経験が蓄積されるシステムの構築に向けた官民コンソーシアム」の作業グループに、同システムのたたき台を提示した。たたき台によると、技能労働者の本人情報は住民票や資格者証など証明書類の添付を求めて真正性を確保。技能労働者本人と所属企業が同意すればシステムに登録する他企業にも情報の閲覧を認める。企業ごとに作業員単位の社会保険加入率を集計できる機能も搭載し、法定福利費の算出に活用できるようにする。
 建設技能労働者の経験が蓄積されるシステム(就労履歴管理システム)は、技能労働者の経験などを現場単位で登録することで、技能労働者の処遇改善や就業機会の確保などにつなげるもの。ことし8月に国交省や建設業団体などがコンソーシアムを設置し、2017年度の本格運用に向けた議論を始めた。
 システムの詳細を検討する作業グループが開かれるのは今回が2回目。国交省が提示したたたき台では、本人情報の登録、現場・契約・就業情報の登録、登録された情報の閲覧内容・範囲のイメージを示したもの。
 本人情報は、原則として技能労働者本人に申請を求めるが、所属企業による代行申請や建設業団体による申請の補助も認める。申請する情報は▽住所・氏名・生年月日・性別・国籍▽保有資格▽社会保険加入状況▽所属企業―の登録を必須とし、真正性を確保する住民票や資格者証などの証明書類の添付を求める。
 表彰実績や建設業退職金共済手帳の有無、労災保険特別加入の有無などは、任意で登録してもらう。技能労働者には登録した本人情報に対するID番号を与え、必要に応じて情報を搭載したIDカードも発行する。
 現場情報と契約情報は元請け企業が登録する。一方、各技能労働者の勤務日数などを示す就業情報は、カードリーダーやスマートフォンを使って入退場記録をデータベースに蓄積するとともに、システム運用前の過去の就業履歴も任意で登録することを認める。
 登録された情報は、所属企業と技能労働者本人が閲覧できるほか、工事期間中に限って元請け企業と上位の下請け企業も閲覧できるようにする。技能労働者本人と所属企業が同意すれば、システムに登録する他企業にも閲覧を認め、技能労働者の就職機会や事業者の工事受注機会の確保につなげる。
 コンソーシアムは、15年度末に中間報告をまとめる予定で、16年度にシステムの全体設計と試行運用、17年度の本格運用を目指している。

提供:建通新聞社