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2015/12/14

技術者配置の金額要件緩和 杭問題受け再検討

 2級技術検定の受検資格見直しなどを定める建設業法施行令を改正するための政令が11日、閣議決定した。当初、国土交通省はこの政令で技術者配置の金額要件の緩和措置も定める方針だったが、今回の政令に盛り込むことは見送った。杭工事の施工データ流用問題を受けて設置された有識者委員会では技術者の役割も議論されており、金額要件の緩和も「年内にまとまる再発防止策を踏まえ、再検討することになる」(土地・建設産業局建設業課)としている。
 11日に閣議決定した政令は、2級技術検定の学科試験の受検資格に実務経験を求めず、高校2年時に学科試験のみを受検できるようにするもの。政令は16年4月1日に施行するため、16年度の学科試験から見直し後の受検資格を適用する。
 この見直しで、工業高校の指定学科の在校生で1年、普通高校など指定学科意外の卒業生は7年前倒しで2級学科試験の受検資格を得ることができるようになる。
 一方、国交省は同じ政令に盛り込むはずだった技術者配置の金額要件緩和を当面見送った。
 建設業法では、下請け合計金額3000万円以上(建築一式4500万円以上)の工事に監理技術者、公共性が高い重要な工事のうち請負金額2500万円(同5000万円以上)で主任技術者か監理技術者の専門を求めている。国交省は、現行の金額要件が1994年度以降見直されていないため、その後の物価上昇や消費増税などを踏まえて金額要件を引き上げることを検討していた。
 横浜市のマンションを発端とする杭工事の施工データ流用問題をめぐって、国交省は「基礎ぐい工事問題に関する対策委員会」を設置し、年内をめどに再発防止策を検討している。再発防止策は、元請け・下請けの責任体制や役割分担の明確化や杭工事に対する設計・施工の専門性・技術力の確保などが柱になる見込みで、国交省はこのことが技術者制度にも関わるとみて、技術者配置の金額要件緩和の内容を再検討することにした。

提供:建通新聞社