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2015/12/22

日建連が就労履歴管理システムへ提案

 日本建設業連合会(日建連)は国土交通省の官民コンソーシアムで検討が進む「就労履歴管理システム」に対する提案をまとめた。技能労働者の「処遇の確立」と「資質の向上」を第一義とし、公的データベースや既存の安全管理システムとの連携を前提に簡便・安価な形でスタート。普及状況を見ながら対象の技能者や登録情報を拡充するなど、システムの改善・充実を段階的に進めることを唱えた。小規模現場の登録料免除も検討項目に挙げている。22日の理事会で了承を得て国交省に報告し、官民コンソーシアムでの議論の素材にしてもらう。
 就労履歴管理システムは国交省が2017年春の運用開始を目指して官民コンソーシアムで検討中。日建連は官民コンソーシアムに参加するとともに、検討組織(建設キャリアシステム推進本部)を設けてシステムの方向性などを議論してきた。
 提案では、システムの第一義を「技能者の処遇の確立と資質の向上を図るための基礎インフラ」とした上で、現場の適正かつ効率的な管理に役立ち、品質や生産性の向上につながるものと定義した。必要な機能は▽技能者情報の登録▽現場情報の登録▽技能者本人の経験蓄積▽関係者に対する情報開示―の四つで、連携させるシステムはマイナンバー制度や建設業退職金共済制度(建退共)、登録基幹技能者、技術検定、グリーンサイト、WIZDOMなど。このうち建退共は当面は証紙制度の補完にとどめ、安全書類の作成機能は装備しない。
 情報の真正性が確保される仕組みは取り込むものの、確認できないものも「未確認」として登録を可能にする。
 システムの開発費用は運営主体(国交省が強く指導できる団体)の設立時の出えん金、運営費用は▽技能者▽元請け事業者▽国の助成―などで賄う。登録に掛かる個人負担はできるだけ少なくするとともに、元請けによる住宅の修繕など小規模現場の登録料については免除も検討する。
 全ての現場と就業者への導入を将来目標に掲げる一方で、現実的な普及促進を図るためには、一定の公共工事から始めて官民の一定規模以上の工事に拡大するなど、段階的な拡大が望ましいとした。
 システムのマスター情報は▽技能者▽事業者▽現場▽契約―の四つ。このうち技能者は氏名・住所・性別・生年月日・国籍・雇用事業者・実務経験期間・社会保険加入状況を必須の登録事項とし、本人の申請で登録。登録情報は3〜5年、ICカードは5〜10年で更新するスケジュール感も例示している。

提供:建通新聞社