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中央ニュース

2016/03/07

総合評価 評価項目に「手持ち工事量」

 国土交通省は、直轄工事の総合評価方式で、競争参加者の「手持ち工事量」を評価項目に追加する。急激に受注が増加した企業は、現場の支援体制が脆弱(ぜいじゃく)になる恐れがあり、手持ち工事が多くなると工事成績評定点が低くなる傾向も確認された。3月中をめどに「総合評価落札方式の運用ガイドライン」を見直し、地方整備局などの判断で手持ち工事量が少ない競争参加者に高い評価を与えられるようにする。
 現行のガイドラインでは、手持ち工事量を競争参加資格要件にはできるが、総合評価の評価項目への設定は認めていない。また、WTO対象工事では、国内実績のない外国籍企業が不利となるため、参加要件とすることも認めていない。
 国交省は、急激に受注が増え、手持ち工事量が多くなった企業は、企業としての現場のバックアップ体制や技術者の質が落ち、品質が低下する傾向にあると仮定、手持ち工事量と工事成績評定点の関係性を分析した。
 2013・14年度に施工能力評価型(T型、U型)で発注された一般土木工事のうち、09〜12年度の最大同時稼働件数の年度平均が2件以上の業者が落札した工事1062件を対象にシミュレーションを行った。具体的には「13年度の受注時手持ち工事件数÷09〜12年度の最大同時稼働工事件数の年度平均」で手持ち工事比率を算出、工事成績評定点との関係性を調査した。
 調査結果によると、手持ち工事比率が0・5以下の受注者の工事成績は平均77・8点であったのに対し、手持ち工事比率1・5以上の受注者の工事成績は平均76・6点と、その差は1・2点となり、手持ち工事量が多いほど工事成績が低下する傾向が確認された。
 この調査結果を踏まえ、3月中をめどにガイドラインを見直し、各地整が評価項目に手持ち工事量が少ないほど総合評価の技術評価点が高くなる評価項目を設定できるようにする。施工能力評価型の評価項目に手持ち工事量を追加することを想定している。
 
提供:建通新聞社