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中央ニュース

2016/07/08

連載「測る、描く、守る」 第2回・情報は「手のひらの上」に

 場所や位置に関連する地理空間情報の技術が進歩し、環境整備も進んでいます。GPS機能が搭載されたスマートフォンの爆発的な普及も手伝って、現在地やその周辺に何があるかなどといった地理空間情報を誰もが“手のひらの上で”手軽に扱えるようになりました。その最も身近な存在のひとつが、カーナビに代表される道案内です。

 当初は単なる経路案内だけだったカーナビも、渋滞を回避する経路や運転しやすい幹線道路を通る経路など、利用者が求めるさまざまなニーズに応じた経路を即座に探すことができるようになりました。

 「平成28年(2016年)熊本地震」では、道路や鉄道などの交通機関や電気・ガス・水道などのライフラインに大きな被害が発生しました。被災地では今も生活に大きな影響が出ていますが、このような災害への対応にも地理空間情報は大きな役割を果たしています。

上空からの撮影写真と災害発生場所の画像を合わせて、被害の実態を把握

 たとえば、被災地を上空から撮影した写真や土砂災害が発生した場所の画像を地図と組み合わせることで、被害の実態を把握することができます。被災者には、避難所やガソリンスタンド、営業中の商店などの位置情報を地図に重ね合わせて生活支援に役立つ情報や地図が提供されています。

 これらの多くのサービスでは、地図と現在地、建物や道路などの位置といった地理空間情報を適切に分析して表示する処理が行われていますが、そのためには、基準となる地図や自らの位置を知るための仕組みが不可欠です。

 このため、さまざまな地理空間情報が重なるように、共通に使える地図として「基盤地図情報」というデータを国土地理院と地方公共団体が協力して整備し、提供しています。一方、自分の位置を知ることはすでにGPSを使った技術として一般化していますが、今後、打ち上げられる準天頂衛星によって、さらに正確に位置が分かるようになることが期待されています。
 こうした情報や技術に支えられて、地理空間情報を利用したさまざまなサービスが手のひらの上で利用できるようになっているのです。

 地理空間情報は、まだまだ多様な活用方法が考えられています。このコラムでは、建設分野で活躍されている皆さまの仕事にも役立つ活用方法について紹介していきます。(国土地理院)

提供:建通新聞社