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中央ニュース

2016/07/22

連載「測る、描く、守る」 第3回・「浸水ナビ」でリスク回避

 近年、雨の降り方の局地化・集中化・激甚化に伴い、毎年のように大きな水害、土砂災害が発生しています。洪水時の被害を防ぐためには、企業や住民一人一人が、河川が氾濫した場合の危険箇所などの水害リスクを知り、いつ災害が起きても確実に命を守る行動を取れるようにしておくことが大事です。このような時に便利なウェブサイトを紹介します。

 河川の洪水氾濫により浸水が想定される区域とその浸水の深さは、国土交通省及び都道府県が浸水想定区域図として公表しています。パソコンやスマートフォンを使って、この浸水想定区域図を容易に調べられるのが、2015年7月に国土交通省水管理・国土保全局と国土地理院が公開した「地点別浸水シミュレーション検索システム(以下、「浸水ナビ※1」)」です。

地点別浸水シミュレーション検索システム「浸水ナビ」

 浸水ナビの主な機能は次の3つです。(1)ある河川のどの地点が決壊したら、自宅や会社などが浸水するのかが分かります。(2)決壊後、どこが・いつからいつまで・どのくらいの深さまで浸水するかをアニメーションやグラフで見られます。(3)大雨の際に、どの水位観測所の情報に注目すべきか分かります。併せて、各水位観測所の現在の水位が分かるホームページへもリンクしています。浸水ナビは、現時点では限られた水系での提供ですが、順次拡大していきます。

 また、浸水想定の情報に加えて、身の回りの土地の成り立ちと、その土地が有している自然災害リスクを知っておくことは、洪水などで避難行動をとる際に有効です。「地理院地図※2」では、これらをワンクリックで確認できる地形分類のデータが公開されています。例えば、自然堤防の背後の低湿地(「※地形解説」参照)は、一般的に地盤が軟弱で水はけが悪いため、浸水状態が長引くことがあり、15年の関東・東北豪雨の際は、鬼怒川流域のこのような場所で浸水が長時間継続しました。

「地理院地図」

 各地で大雨が頻発するこのシーズン、職場や自宅の回りにおける水害のリスクを調べて、命を守る行動につなげてください。(国土地理院)

(※1)浸水ナビ http://suiboumap.gsi.go.jp/
(※2)地理院地図 http://maps.gsi.go.jp/
地形分類について:http://www.gsi.go.jp/bousaichiri/bousaichiri60024.html

提供:建通新聞社